冷蔵発酵、オーバーナイト発酵。
一晩じっくり熟成させるパン作り。
夜、寝ている間に冷蔵庫でパン生地の一次発酵を行います。
長時間低温発酵とも言いますね。
当たり前ですが、冬場の室温はとても低いです。
それなら室温で発酵させても、長時間発酵できるはずですよね。
私のレッスンでは、パンの一次発酵を冷蔵庫で行う『冷蔵発酵法』をお伝えしています。
しかし、冬場は室温での発酵も行うことがあります。
どんな時に室温での発酵を行うのか?
その考え方についてご紹介していきたいと思います。
冬場の冷蔵庫の温度と室温
冷蔵庫の温度をはかったことがありますか?
私は、冷蔵発酵のパン作りを始めてから冷蔵庫に温度計をいれています。
夏と冬の冷蔵庫の温度。
かなりの差があります。
私は、基本的には野菜室での冷蔵発酵をおすすめしています。
野菜室の温度は夏場で約10℃。
冷蔵庫の開け閉めが多いときや、野菜がパンパンに入っているときは12℃くらいになることもあります。
そして、冬になると野菜室の温度は約5℃です。
冷蔵庫の冷蔵機能のパワーも調整して弱くしていても、6℃以下になることが多いです。
それくらいに、春夏秋冬の冷蔵庫の温度は違います。
さて、次に室温を考えてみましょう。
夏場はクーラーをきかせても、室温が28℃くらいになりますよね。
30℃弱になるというお家も多いと思います。
一方で、冬場の朝。
私の家は東京ですが、朝起きた時の室温は10℃くらいです。
実家はとても寒い地方でしたので、室温2℃。めちゃめちゃ寒かったですよ(^^;)
室温と冷蔵庫の温度を比べてみると、
冬場の室温はほぼ冷蔵庫です。
家電メーカーさんのホームページを参考にして、冷蔵庫の温度の目安を書きますね。
冷蔵庫⇒約0~6℃
野菜室⇒約3~9℃
これもあくまで目安です。
冷蔵庫の温度は各ご家庭によってかなり違います。
こちらのブログも参考にしてくださいね。
【野菜室vs冷蔵庫どちらが良い?】パン作りの冷蔵発酵を行う場所でお悩みの方へ
一次発酵の時間は温度とイーストの量で決まる
結論から言うと、冷蔵発酵のレシピを冬場の室温で行うことができます。
なぜなら前章でもお話したように、冬場の室温は冷蔵庫とほぼ同じになってしまうからです。
ただし!!冬でも暖房をきかせた部屋はあたたかいので要注意です。
油断してパン生地を放置しすぎて過発酵。
ということになりかねませんので気を付けましょう。
さて、やはり知りたいのは、室温で発酵させたら何時間くらいかかるのか?
というところだと思います。
この質問。
家庭のパン作りで正解をだすのは相当難しいです。
パン生地のこね上げた時の温度、室温がその日その時で違うのが、家庭でのパン作りです。
一次発酵の時間をいつも一定にすることは、ほとんど無理だと思います。
ただし、一次発酵でかかるの時間を予想することはできますね。
ここでは考え方をお伝えしていきたいと思います。
パン生地の発酵は、イースト量・温度・時間の関係であらわすことができます。
①イースト量が多く、発酵温度が高い⇒発酵時間は短い。
②イースト量が少なく、発酵温度が低い⇒発酵時間は長い。
冷蔵発酵やオーバーナイト発酵、長時間低温発酵はまさしく②です。
冷蔵発酵では、イースト量を少なくするのが基本です。
発酵を長くとりたいと考えると、必然的にイースト量は少なくなりますね。
では、温度を考えたいと思います。
イーストの発酵活動は約40℃で最大になります。
そして、温度が低くなるにしたがってイーストの働きは弱くなります。
そして、どんどん温度が下がって4℃以下になると、イーストの発酵活動はほぼ休止します。
温度が低いほど、発酵時間が長くなるのはイーストが快適に働くことのできる温度が決まっているからなのです。
冬の室温でパン生地を何時間一次発酵させればよいの?
今までお話してきたことをまとめると下記のようになります。
◎冬場の室温は冷蔵庫と同じになることもある。
◎イーストの発酵活動は40℃で最大、4℃で休止。
◎温度が低いほど、発酵時間は長くなる。
では、まずは冬場の室温を知ることが大切です。
お部屋の中に温度計はあるでしょうか?
暖房がきいた部屋⇒18℃
夜~起きた時の部屋⇒10℃
寒い地域⇒4℃
例えば、上記のような室温だったとしましょう。
暖房がきいた部屋は、ゆっくりではありますが発酵がすすみます。
イースト量が多ければ早く発酵し、イースト量が少なければゆっくり発酵します。
18℃位の室温では、発酵はストップしません。
気を抜くと過発酵になりますので注意です。
もし長く出かけたいという用事があれば、冷蔵庫にいれておくほうが安心です。
次に、10℃前後の室温を考えましょう。
この温度帯は温度が高めの野菜室とほぼ同じです。
ごくゆっくりと発酵がすすんでいきます。
冬場は冷蔵庫に入れてしまうと、ほとんど発酵が止まってしまいます。
野菜室でさえも冬は発酵がすすみにくい状況です。
冷蔵発酵のレシピで、冬場の室温発酵をするなら10℃前後の室温がよいと思います。
ごくゆっくりと発酵がすすみますので、急に過発酵ということも少ないと思います。
私は、冬に室温発酵させるときは夜寝るときに10℃くらいになる部屋にパン生地を置きます。
冷蔵庫に入れてしまうとほとんど発酵が止まってしまいますが、
室温が10くらいあればじわじわと発酵していきますので、翌朝に発酵具合を確認するので丁度良い感じです。
最後に、寒い地域の方の場合ですね。
室温4℃以下のお家では、発酵はほぼ止まってしまいます。
ここまでくると、冷蔵庫にいれる必要もないですよね。
むしろ、一晩おいても発酵がすすみませんので、
翌日にあたたかい場所において発酵を調整する必要がでてきます。
発酵器やレンジの発酵機能を使うのが手軽ですね。
お部屋の中のできるだけあたたかい場所においておくのもよいと思います。
私はキッチンのオーブンの近くに置いて、発酵を進みやすくしています。
冬場はあたたかい場所を探すのも一苦労です。
発酵器をうまく活用するのが、冬場のパン作りのポイントだと思います。
冬の冷蔵発酵のパン作りは、室温で一次発酵も選択肢のひとつ
冷蔵発酵といっても、野菜室で発酵させるのか冷蔵庫で発酵させるのかで、
パンの発酵のすすみ具合は全く違います。
パンの発酵時間はイースト量と発酵温度のバランスで決まります。
私がおすすめしているのは、発酵がじっくりすすむ10℃前後の温度帯での発酵です。
そのため、冷蔵発酵では野菜室を使うことが多いです。
しかし、冬の冷蔵庫は野菜室でも5℃前後になることもあります。
その場合は室温も有効活用しましょう。
我が家では、暖房のついていない夜間は10℃位の室温になります。
パン生地の発酵をじっくり進ませる温度としては10℃でよい感じなのです。
他に考える点を挙げると下記のようになります。
・パン生地のこね上げ温度が高ければ発酵は早い。
・イースト量が多いほど発酵が早い。
正直なところ、低温長時間発酵で一晩発酵させる場合、
過発酵にならなければ翌日に発酵の具合を調整することができます。
室温はそのお家によって様々です。
まずはやってみるしかありません。
一度室温発酵をやってみてください。
ポイントは室温は何度くらいだったかを把握しておくことです。
その時の室温と発酵の進み具合を覚えておいてください。
そうすれば、次回の時からは室温発酵させるべきか冷蔵庫にいれて発酵させるべきかを
自分自身で決めることができるようになりますよ。
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