はじめまして!パン教室アトリエエピスの井手芙雪(いでふゆき)です。
東京都西東京市で2023年春からのパン教室をスタートするために準備中です。
パンとお菓子作りを続けて十数年。
数々の失敗を繰り返しながら、自宅でのパン&お菓子作りと格闘してきました。
パン教室なのにお菓子も?
と疑問に持たれる方もいるかもしれませんね。
私がパンとお菓子作りに出会い、パン教室をはじめるまでのお話をしていきたいなと思います(^^)
『なんで?』な女の子
ふゆきは『なんで?』ばかりいっているな。
小学生の頃、先生にこんな風にいわれる子でした。
なんでだろう?と思うととても気になる。
先生に聞いたり、自分で調べたり。
得意なのは、化学と家庭科。数学も大好きでした。
ただ、運動はめっぽう苦手です。
THE理系!薬学部でつけた科学の基礎力
そのまま理系の道を進みました。
大学は薬学部です。
大学生活は、朝から晩まで講義か実験か研究か。
生きてきた中で一番勉強したのはこの時だと思います。
テストの前は、もう…胃が痛くなるほどのプレッシャーです(笑)
化学、生物、物理だけでなく、信頼できる情報を選ぶための基礎知識。
パンやお菓子の理論を理解するための基本は、
私の中にある科学の根底があるからこそだと思っています。
そして、この時に出会った一生涯の友人達。
結婚してからは年に数回しか会うことができませんが、
かけがえのない宝物をもらったのが大学時代です。
パン作りとの出会いはパッサパサの大失敗
私のはじめてのパン作りは、大学の夏休みでした。
当時、流行り始めたホームベーカリー。
料理検索サイトが一般的になったのも、この頃だと思います。
ホームベーカリーで一次発酵まで完了させたパン生地。
形を作ってオーブンで焼き上げました。
わくわくしながら食べてみると、、、
ぱっさぱさ。
今考えてみれば、夏の暑さで過発酵。
焼き色がつかずに、オーブンの中で焼きすぎ。
失敗するのもわかります。
その時は、ただただ悲しい。。
ガーン(゚ロ゚) そして悔しすぎる!!
とにかく誰かに正解を教えてほしい。
そんな思いでパン教室を探しました。
今ほどホームページを持っているパン教室は少なかった時代です。
大学の下宿先から通える自宅パン教室に通いはじめることにしました。
上の写真は、レッスンではじめて作ったレーズンパンです。
今でもこのパンを作るときは原点に戻ったような気持ちになります。
写真も10年以上前のもの。懐かしいですね~
さて、二十歳の大学生が主婦の方ばかりのレッスンに飛び込んだ状況です。
今や笑い話ですが、なかなかの行動力です(^_^;)
はじめてのパン教室は作る楽しさで大満足
パン教室でレシピが増える嬉しさ。
同じ趣味の仲間の中でおしゃべりできる空間。
大学と家の往復ばかりだった生活が一変しました。
家でも週末は毎週パン作りです。
とにかく、楽しさだけでパン作りを続けていました。
しかし、数年がたったところで気がついたのです。
レッスンで作った時の方が美味しかったと。
レシピ通りの回数をこねたはず。
発酵温度も発酵時間もレシピ通り。
オーブンの焼き時間もレシピに書いてある通り。
なんで?
失敗しているの?
家でのパン作りの正解がわからずに迷うばかりでした。
もちろんパン教室でも、パン生地の様子を目でみて確認していました。
はず、、、実際には、わかったつもりだっただけ。
あいまいな記憶では、毎回成功できるパン作りをすることはできなかったのです。
レシピを見ないパン作り
ここまで通っていたパン教室では白神こだま酵母というパン酵母を使用していました。
こだま酵母で作るパンの味は好きでしたし、
パン教室にも満足していました。
でも、パン作りの失敗の原因を知りたい。
パン作りの基礎の基礎から、イーストのパン作りをしてみよう。
思い切って、パン教室を変えてみる事にしました。
新たに通いはじめたのは、元パン職人の方が講師をされていました。
パン生地のこね上がりの張りはこれくらいです。
パンチ後のパン生地の発酵の具合は○○割です。
最終発酵の見極めはパン生地の弾力で判断してください。
レシピばかりに向いていたパン作りが、一変しました。
パン作りで重要なのは、レシピじゃない。
その日その時のパン生地の状態をみる。
それをなくして、毎回成功するパン作りができるはずがない。
そのことに気がつくまで、パン作りをはじめて3年がたっていました。
少しのイーストと長時間発酵
パン教室の師範コースに進んでからは、本格的にパン作りの理論も学び始めました。
ここで学んだのが、イーストで作るパン作りの極意です。
少しのイーストと長時間発酵。
イーストのパンは美味しくない。
そのイメージは私自身も持っていました。
はじめて通った教室が、白神こだま酵母を扱っていたこともあるかもしれません。
イースト以外の酵母で作っているから特別なんだ。
そんな意識を持っていたのも確かです。
でも、心のどこかに疑問を抱えていました。
イーストで作っているパン屋さんのパンは、疑いもなく美味しい。
家庭で作るパンと何が違うのか?
イースト量が増えるとイースト臭が強くなります。
家庭でつくる場合は、手間をかけないという事も大切です。
そのためなのか、イースト量を多くして短時間でつくるレシピもあります。
それ自体は、決して悪いことではないと思います。
子育て、仕事、、生活はとても忙しいものです。
その中でパン作りを楽しむのに正解はたくさんあると思います。
ただ、私が求めるのは違いました。
イースト臭を極力抑えたい。
そのためにはイースト量を減らすことが必要です。
そうなると自然と発酵時間は長くなります。
『長時間発酵』にも、魅力的な響きがありますよね。
長時間発酵がもたらす香りの良さや、焼きあがったパン生地のしっとり感。
発酵時間を長くとるパン作りは私のパン作りのモットーになりました。
イーストで作るパンは癖がなくて、悪く言えば味が薄いパンなのかもしれません。
ただ、私はその軽い食感が好きでした。
そして、イースト量を極力減らしていくと、小麦粉やバターなど他の材料の味わいがとても活きたパンが完成します。
そして軽やかな食べやすい口当たり。
天然酵母で長時間発酵させて作るパンの複雑な香りは、
イーストには真似できません。
しかし、イーストで作る材料の味わいを活かすパン作りも特別な面白さがあります。
私にはイーストのパン作りが、最も魅力的でした。
それは、生活の中でパン作りを続けていく作りやすさも理由のひとつです。
独学や単発で、色々な酵母のパン作りを試していましたが、
家庭で作るパン作りを、イーストで追い求めてみよう。
そんな風に考えはじめたのもこの頃です。
結婚・出産・子育て!パン作りの時間がない!!
現在、夫と6歳の娘と3人で暮らしています。
私の生活を一変させたのは、、出産でした。
まぁ、忙しいこと(苦笑)
というか、自分の時間がないのです。
生活のすべての中心は子供です。
食事の時間も寝る時間も子供次第。
何時間もかけてパン作りをしている場合ではありません。
パン作りを休む?
時短パンを作る?
時短で作るということは、イースト量は増えるはずです。
発酵時間が短くなれば旨みの弱いパンになるかもしれません。
それは、私自身のモットーに逆らうことになってしまいます。
そうなるとパン作りが私にとって義務になってしまうのです。
ではどうする?
と行き着いたのが冷蔵発酵です。
一次発酵の時間を冷蔵庫で行えば、大変な作業を2日間にわけて行うことができます。
家庭の冷蔵庫で作りやすく、パンの旨みを最大限に引き出す方法を何回も試しました。
季節が違えば温度も湿度も変わる。
イーストの量を減らすと?
水の温度を変えると?
野菜室?冷蔵庫?
もはや実験データをとっている感じです(笑)
プレゼントすると嬉しい笑顔!冷蔵発酵で作ると反応が激変
冷蔵発酵で作るパン作りは、長女が成長してからも
私自身のライフスタイルになりました。
何より時間のやりくりがしやすいのです。
そして、パンを手土産にする時の周りの友人達の反応が変わったことに気がつきました。
すごくもちもちしてるけど、何か入ってる?
特別な酵母使って作ってるの?
また作ってー!とリクエストが増えたのも、
冷蔵発酵のパン作りをはじめてからです。
私自身は、冷蔵発酵で作るパンの味と食感の変化を体感していました。
翌日も翌々日のしっとり感が続くことも。
周りの友人達にも変化がわかるなんて。驚かされました。
そして、確信にかわりました。
私は、イーストのパン作りを極めていきたい。
それをパン教室で伝える立場になるんだと。
その夢は必ず叶えるんだという決意の後押しにもなりました。
運命を変えるお菓子教室との出会い
お菓子との出会いは私の運命を変えました。
私はパン教室の講師になりましたが、
そのキッカケを与えてくれたのは私の恩師であるお菓子教室スタジオジェンマの高橋教子先生です。
なんで???
と疑問に持つのもよくわかります。
そのため、この場できちんとお話していきたいと思います。
お菓子教室に通い始めたのは、パン作りを始めてから数年後の事です。
オーブンを購入して、お菓子も作りたいなぁ位の気持ちでした。
それが、、家で失敗するする。
前例のごとく、お菓子教室を探しました。
失敗の原因を納得できるまで説明してくれたのが、スタジオジェンマの教子先生です。
教子先生のレッスンは生徒目線です。
失敗するポイントを先回りして説明し、それを回避する方法も丁寧に伝えてくれました。
当たり前の事のように聞こえるかもしれませんが、
失敗の理由を科学的に理解している事、そして実際に経験しているからこそのレッスンです。
多大な努力の結果。簡単に真似できるものではありません。
お菓子作りの科学的な面に、私は魅了されました。
そして、美しい見た目。
生地やクリームを組み合わせて作り出す、ひとつの作品のバランス。
お菓子も家で相当作りました。
失敗すると悔しくて、即作り直し。
同じお菓子を1日に3回作ったこともあります(笑)
お菓子作りをはじめて10年がたちました。
スタジオジェンマではアシスタントとしてお仕事をさせて頂いています。
パン教室の講師がお菓子教室でアシスタントをするのは違和感があるかもしれません。
しかし、レッスンまでの念入りな準備や講師としての考え方は、パンもお菓子も同じです。
教室の講師としてのあり方は、身近でお仕事させていただいているからこそ
見えてくるものがありました。
生徒さんが学びの中に喜びを感じ笑顔になれる。
自分自身も常に学び続けて、それを生徒さんに伝えていく。
その姿勢は、今も私自身の目標です。
お菓子教室かパン教室か。
その選択は、一番迷ったところです。
最終的には、感性が導く方向に決めました。それがパン教室です。
その理由は、パン作りが私に手作りの素晴らしさを教えてくれたからだと思っています。
お菓子作りに影響をうけるパン作りのスタイル
お菓子作りは私が作るパンにも大きく影響しています。
見た目は美しく。
そして、クリームやフィリングも手間を惜しまず最高を目指して。
全体のバランスで食べ物の美味しさは決まります。
パン生地を美味しく作るのは大前提です。
一方で、パン屋さんを訪れると色とりどりのクリームや具材を組み合わせたパンが私たちを惹きつけます。
クリームやフィリングの作り方。配合の考え方。
そして、バターや小麦粉、卵などの材料の知識。
お菓子作りを本気で学んだからこそできるパンを引き立てる具材作り。
レッスンでも丁寧にお伝えしていきます。
手作りは人との繋がり
手作りのパンとお菓子は、私と家族、友人とを結ぶ架け橋です。
遠くに住んでいても、郵送でパンやお菓子を送ります。
気持ちを手作りに変えて、手土産にすることもあります。
パン教室やお菓子教室で出会った友人も、
私の事を支えてくれています。
パン作りに出会ってから、私の人生は全く別の方向に歩みだしました。
薬剤師を辞めて、パン教室の講師になるという選択は
相当な決意が必要でした。
10人に聞いたら10人に止められるだろうという事も想像できました。
ただ、後悔したくなかったのです。
私自身が追い求めてきたイーストで作るパン作りの奥深さ。
そして、手作りから生まれる人との繋がりを、皆さんと共有したかったのです。
私はマニアックにパン作りをお伝えします。
家でパン作りをすると迷いがたくさんでてきます。
その時に自分自身で考えて、試行錯誤する知識をお伝えしていきたいと思っています。
『手作りって美味しいよね』という言葉の受け方には2パターンがあると思います。
私が目指すのは、もちろんプラスの方向です。
お店よりも美味しいよ!
あなた自身のパンで友人や家族の胃袋をがっしりつかむ!
私の人生の可能性が広がったように、手作りのパンはきっと皆さんの可能性を数百倍にひろげていくものだと信じています。
経歴
1988年2月13日生まれ。
2008年 パン教室(白神こだま酵母)でパンの楽しさに出会う
2015年 アトリエフレサージュ師範コース
パン作りの理論と少量のイーストで作りパン作りを学ぶ
2016年 長女の出産をキッカケに、冷蔵発酵のパン作りを研究
2022年 お菓子教室スタジオジェンマの高橋教子先生のもとでアシスタントとなる
2023年春 東京都西東京市でパン教室アトリエエピス開講予定
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