『折り込みシート』をパン生地で包んで~♪
よし!綺麗なマーブル柄にするぞー!!
折り込みパンでよく起こる失敗。それは、、、
成形の途中でパン生地が破れて穴が(゚д゚lll)
シートが出てきて、手と台がベタベターーーー。
今でも、油断するとしてしまう、代表的な失敗です。
そもそも、なぜパン生地が破れてしまうのか?
そして、この失敗を防止する手立てはあるのか?
パンの構造を作る『グルテン』に注目して、解説していきます!
折り込みパンの成形とは?
折り込みパンの成形を大まかに説明すると、
1、パン生地で折り込み用のシートを包んで
麺棒で伸ばす
2、三つ折りにして、90℃向きを変えて
麺棒で伸ばす
3、再び三つ折りにして、90℃向きを変えて
麺棒で伸ばす
4、再び三つ折りにして、
麺棒で伸ばす
5、型にいれるかどうかで、パンの形を作る
成形では、三つ折りを3回行うものが一般的だと思います。
さて、『麺棒で伸ばす』工程は何回ありましたか?
4回。
そう、4回も麺棒でパン生地に圧力を加えています。
折り込みの成形で、パン生地に起こる変化は?
成形で伸ばす前、シートを包める程度にパン生地を伸ばします。
この時のパン生地の厚みはだいたい1~2cm位でしょうか。
そのパン生地を麺棒で4回伸ばすと、最終的にはシートが透けて見える位までに
薄く引き伸ばされます。
一つ目の、目に見えるパン生地が破れる原因です!
パン生地が薄くなるから。
これは、折り込みパンの成形では避けられないため、どうしようもありません。
では、一見は分からない盲点はどこにある??
パン生地のグルテンに注目しますよ~!!!
パンのグルテンは折り込みの成形中も緊張状態に!?
パンを捏ねる時、
物理的な圧力が加わると、グルテンの形成が促進されて網目状に生地全体に広がっていきます。
このグルテン。
捏ねた直後など、
物理的な力が加わると弾力が強くなり、伸びにくい。
一方で、捏ねた生地を
休ませると、柔軟性がでて伸ばしやすくなる。
一見、正反対ともいえる性質ですね。
パン作りの工程では、この2つのグルテンの性質はバランスを取っていて、
最終的に焼いたときに、最大限の膨らみを得られるようになっています。
へぇ~!パン作りって深い。
でもでも、これが折り込みパンの成形と関係があるの?
先ほどの、折り込みパンの成形の工程を思い出してみましょう!
『麺棒で伸ばす』=物理的な圧力を4回!!
グルテンは超緊張状態になります。
すると、、、
弾力が出て、強力なバネのように縮む力が働く。
↓
パン生地の中で、他のところよりもたまたま薄くなっている場所に穴が開く。
↓
更にパン生地が縮む力が働くと、、、
穴が広がって大きくなる
↓
シートが出てきて、手と台がベタベタにーーーー(゚д゚lll)
これが、失敗の原因です。
【製パン理論】グルテンの緊張を和らげる!パン生地を休ませよう
パンのグルテンは、
物理的な力が加わって緊張すると弾力が増し、
休ませて、弛緩すると伸びやすくなります。
この反対の性質がバランスをとっている様子を
シーソーに例えて書いたイメージ図を示しました。
左側の図は緊張状態のグルテンです。
折り込みパンの成形で、麺棒で伸ばした直後のパン生地もこの状態になっています。
という事は?
いくら頑張って伸ばそうとしても、無理!!!
もう休ませて~~~(>人<;)
パン生地が訴えています。
パンを休ませる。
この単純な工程をするだけで、グルテンは右側の図のように、
弛緩の状態に傾きます。
すると、、、
あれ?嘘みたいに伸ばしやすい(*´∀`*)
グーンとよく伸びるパン生地に変化するのです。
何もしてないですよ。休ませるだけ。
これだけで、パン生地中のグルテンは見えない変化をするのです。
盲点はグルテンの構造にあります!
グルテンの詳しい構造の変化
⇒SH基とS-S結合の交換反応については以下のブログに記載しています。
【パン作りの工程の意味】ベンチタイムとは?時間や見極めはどうするのか
【折り込みパンのコツ】パン生地が破れるのを防ぐ!伸びなくなったら、休ませろ!!
パンのグルテンは物理的な圧力を加えると、緊張状態になり、パン生地は伸びなくなります。
折り込み成形中に、
パン生地が破れて穴があくのも、過度に高まったグルテンの緊張が原因です!
そして、パン生地を休ませると、
グルテンの伸びやすさが改善されます。
よく伸びるゴムは風船のように、薄くよーーく伸びますよね。
つまり、、
折り込み成形をして、生地が薄くなっても破れない!!
折り込みパンの成形のポイント
成形の途中でもパン生地に弾力を感じたらSTOP!
一旦、パン生地を休ませて、伸びやすさを回復させる!!
生地のお休みの時間も、乾燥には注意してくださいね(^^)/
◎まとめ◎折り込みパンの成形はコツがたくさん!
折り込み作業というのは、クロワッサンを作るためにも使われる
パン作りのキホンです。
クロワッサンの場合は、中にバターを包みます。
そして、パン生地が破れると、顕著に仕上がりに影響します(;´д`)
一方で、折り込みシートを使うマーブルパンの場合は、
正直なところ、少し位パン生地が破れてしまっても大丈夫。
十分に美味しいパンが焼きあがります( ´ ▽ ` )ノ
なので、失敗を怖がらずに何回も挑戦してみてください。
折り込みパンのコツは、今回のブログで紹介した事以外にもたくさんあります。
ポイントを押さえて、練習を繰り返せば、必ず上達します(^。^)
◎生地を休ませながら気長に成形する。
折り込みパンは、ゆったりした気持ちで作ると良いですよ♪
皆さんのパン作りの手助けになれば嬉しいです♪
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参考文献
NEW 調理と理論 第二版