昭和レトロな雰囲気のグローブ形のクリームパン。
パン作りをしていると一度は作ってみたいパンのひとつですよね!
私が何度も経験した失敗。それは、、
クリームパンの中のカスタードクリームの流出(゚ロ゚)
クリームパンはパン生地だけでなく、
フィリングのカスタードクリームも作る手間のかかるパンです。
せっかく手間をかけて作ったパン生地をいざオーブンへ!!
焼き上がりのブザーが鳴り、、オーブンの蓋を開けると。。
パン生地の隙間からカスタードクリームが飛び出ている(゚д゚lll)
何とも悲しい気持ちになります。。
では、クリームパンの破裂を防ぐには??
《成形の時》カスタードクリームに届くまでしっかり切り込みを入れる!
えっ!?
カスタードクリームが見えるまで切り込みを入れたら、焼くと流れ出るでしょ。。
そう思いますよね。
私も最初はそう思っていて、
パン生地におっかなびっくり切り込みを入れていました。
このクリームパンの切り込み。
実は『グローブ形』の理由がそこにあります!!
【詳しく考える◎】
①カスタードクリームは牛乳が多く配合されていて
『水分』を多く含みます
↓
②オーブンでカスタードクリームが加熱され、『水』が100℃以上になると
『水分』→【水蒸気】
↓
③【水蒸気】が風船を膨らますように、パン生地の内部で膨張します
↓
④内部でどんどん膨張していく【水蒸気】の逃げ道がない!!
↓
⑤耐え切れなくなったパン生地が破裂!!
↓
⑥中のカスタードクリームが流れ出るーー(゚д゚lll)
つまり、、
《成形時》カスタードクリームに届くようにパン生地に切り込みをいれる
↓
内部の水蒸気を逃がして、パン生地の破裂を防ぐ!!
クリームパンのグローブ形には可愛さだけではない理由があります( ´ω`)
【検証Ⅰ】クリームパンの切り込みの深さとカスタードクリームの流出について実際に作って比較してみました!!
室温18度、湿度30%
【1個当たり】
パン生地48g
カスタードクリーム35g
↑
たっぷりとカスタード
クリームが入っています!!
パン生地にカスタードクリームを包んだ、最終発酵前の写真です。
パン生地の内部で発生する水蒸気の逃げ場がないのが、①切り込みなしです。
②と③はパン生地への切り込みの深さを比較するために作りました。
①切り込みなし
②カスタードクリームまで深い切り込み (切り込み大)
③カスタードクリームが少し見える切り込み (切り込み小)
焼成後、こんがり美味しそうに焼けています。
すみません。。
結果が上手く出ず、①の切り込みなしのパンが破裂しませんでしたΣ(゚д゚lll)
そんな事もあろうかと、、
比較のために『水分』の少ない
⑤クリームチーズを包んだものも作りました。
【成形後、最終発酵前】
①カスタードクリームを包んだパン生地
⑤クリームチーズを包んだパン生地
どちらも切り込みを入れていません。
内部に発生する水蒸気の逃げ場がない状態です。
【結果A】①切り込なしと⑤クリームチーズの比較
焼成後、①カスタードクリーム、⑤クリームチーズを
それぞれ包んだパンの断面です。
クリームチーズをいれた場合、カスタードクリームを包んだものと比べて
内部にほとんど空洞ができていない事がわかりますね!
この内部にたまる【水蒸気】を逃がす事が重要です!!
【結果B】②カスタードクリームまで深い切り込みをいれたクリームパン(切り込み大)
②のパン生地に深い切り込みをいれたクリームパンは、
カスタードクリームが流れ出てしまうのでしょうか?
切り込みの深さを変えて作った②と③のクリームパンの焼成後の写真です。
どちらも、カスタードクリームに届くまで切り込みを入れていますが、
カスタードクリームは流れ出ていませんね!
②の深い切り込みを入れたクリームパンは、ぱっくりと切り込みが開いていますが、
カスタードクリームにしっかりとした固さがあれば、
カスタードクリームは流出しませんでした!
【結果C】③カスタードクリームが少し見える切り込み(切り込み小)
では、どれくらいの深さの切り込みを入れるのが良いのでしょうか?
焼き上がりの断面も見て考えてみました。
やはり、③のカスタードクリームが少し見える切り込みのパン(切り込み小)は、
焼き上がりの見た目も綺麗で、カスタードクリームの流出もありません!
断面を見ても、中にもたっぷりとカスタードクリームが詰まっていますね。
恐れずに!!カスタードクリームに届くまでしっかり切り込みをいれる!!
これは、昔から伝わる知恵なのですね~。面白いです(^.^)
【検証Ⅱ】クリームパンのカスタードクリームの固さの比較
ほぐしてなめらかにして使った方が良いのか??
手作りのクリームパンの楽しみのひとつが、たっぷり甘ーいカスタードクリームです(^^)
鍋でしっかりと炊いたカスタードクリームをボールやバットに移し、氷で急冷します。
この急冷されたカスタードクリーム。
『プルンプルン』に固まっていますね。
普段からお菓子作りをする私。
例えばシュークリームを作る場合、
急冷したカスタードクリームは、
泡立て器でなめらかになるまでほぐしてから使います。
なぜなら、その方がカスタードクリームがトロリと口溶けが良くて美味しいから!!
クリームパンにいれる時も、
急冷した後のカスタードクリームを
ほぐしてなめらかにしてから包んだ方が美味しいのでは??
実験してみました!!
クリームパンにいれるカスタードクリームの固さは、
クリームの流出に関係あるのか?
③急冷し、固いままのカスタードクリーム(切り込み小)
④泡立て器でほぐして柔らかくしたカスタードクリーム(クリームほぐし)
これをパン生地に包んで、カスタードクリームに届くまで切り込みを入れています。
成形後、最終発酵前のパン生地です。
切り込みの深さは、ほぼ同じです。
【結果D】
焼成後のクリームパンです。
③の急冷した後、ほぐさずに固いままのカスタードクリームを
包んだクリームパン(切り込み小)は、
カスタードクリームが流れ出ずに、綺麗に焼き上がっています。
一方、④のほぐして柔らかくしたカスタードクリームを包んだクリームパン(クリームほぐし)は
カスタードクリームが流出しました。
断面を比較しても、④のクリームパンは、カスタードクリームが外に流れ出てしまい、
クリームが少なく寂しい様子がわかりますね。
そして、、④のほぐした柔らかいカスタードクリームは成形で包むのがすごく大変( ̄▽ ̄;)!!
パン作りに慣れてない方だと、相当難しいと思います。。
でも、柔らかくなめらかなカスタードクリームの方が美味しいのでは??
実際に食べて味を比較しました!
③の急冷した後、ほぐさずに固いままのカスタードクリームは、
パン生地の弾力と馴染みが良い固さだと思いました。
口にいれると、③のカスタードクリーム自体は固いという印象はなく
十分なめらかで美味しいです。
④のほぐしてなめらかにしたカスタードクリームはどうでしょうか?
確かに、とても柔らかい。
でも、パン生地と馴染みが良いか?と聞かれたら、、
カスタードクリームが柔らかすぎると思います。
味や食感は主観的で、合わせたパン生地の配合で相性があります。
ただ、
【クリームパンの破裂を防ぐ】
【成形の作業性を高める】
という目的では、急冷した後のカスタードクリームはほぐさない!!が良いと私は思います。
◎まとめ◎
『切り込みの深さ』と『カスタードクリームの固さ』の
2つに注目して、クリームパンの破裂について考えました!
クリームパンからのカスタードクリームの流出を防ぐためには、、
【Ⅰ】成形の時に、カスタードクリームに届くまでパン生地に切り込みをいれる
【Ⅱ】急冷した後のカスタードクリームはほぐさずに、固いままで使用する
クリームパンは必ずパン屋さんに売っている超定番のパンです。
パン作りを趣味にしていると、必ず一度はチャレンジしたいパンのひとつだと思います。
パン作りには、今まで受け継がれてきた知恵がたくさんあります!
そんな昔からの知恵袋を開けてみるのも、パン作りの楽しさのひとつでもあります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
作ったクリームパンは、破裂してしまったものも家族で美味しく頂きました(^.^)
ぜひ皆さんのパン作りの成功への手助けになれば嬉しいです♪♪
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