パンの材料に卵を使う場合、ほとんどは全卵か卵黄です。
不思議ですよね。卵白だけを使うことはないのでしょうか?
卵白をパンに使うというイメージは、下記のようなものかなと思います。
◎卵白でパンを作っても味がなさそう
◎パンが硬くなりそう
うーん、あまり良いイメージはないですね。
でもよく考えてみると、全卵をつかうことがあるという事は卵白と卵黄の両方をパン生地に入れている訳です。
という事は、卵白にもパンにとって何か効果があるはずです!
このブログでは、下記の疑問について詳しく解説していきたいと思います。
◎パン作りでの卵白の効果
◎卵白だけ単独でパン作りに使うことはあるのか?
パン作りでの卵の働きについては、こちらのブログも参考にしてくださいね(*^_^*)
【検証!】卵を入れたパンはどう焼きあがる?/味・食感・膨らみに影響する卵の効果
【パンの材料Q&A】パン作りで卵黄を入れる効果とは?乳化剤としてのレシチンの働き
卵白の成分について
卵白の成分とはどんなものなのでしょうか?
私はタンパク質源というイメージです。
しかし、なんと卵白の大部分は水分なのです。
具体的な卵白の成分は、水分88.4%、タンパク質10.5%、糖質0.4%、灰分0.7%です。
タンパク質は10%位なのですね。意外でした。
ここで余談ですが、卵白と卵黄のどちらが先に固まると思いますか?
ゆで卵や目玉焼きを思い出してみるとわかると思います。
先に固まり始めるのは、『卵白』です。
卵白は約60度で固まり始めます。ここではまだ液状で白っぽくなるだけです。
だんだんと温度が上がり、約80度には完全に固まります。
卵白と卵黄は固まり方が全く違いますよね。
卵白は固めのゼリーのようにプリプリになります。
ゆで卵の卵白のプリプリの固いイメージを頭の片隅に置いておいてください!
【卵白の効果①】パンを保形して、しぼみにくくする
卵白が固まった時のイメージを思い出してみましょう!
ゆで卵のプリプリ感です。
パンに卵白を配合した場合にも、もちろん卵白はオーブンの中で加熱されます。
ただ、パン生地の中で卵白は分散した状態にいるわけなので、
卵白単独のようなプリプリ感にはなりません。
卵白はパンの骨格を補強するように固まります。
その結果として、パン生地の膨らみが保たれてしぼみにくくなるのです。
【卵白の効果②】パンを歯切れの良い食感にする
ここでも、卵白が加熱されてプリプリに固まる様子をイメージしていきます。
卵白は約88%もの水分を含んでいますね。
そして、成分の中で熱で固まっていくのに関わっているのはタンパク質です。
卵白のオボアルブミンという成分は、タンパク質の約54%を占めていて、卵白が熱で固まっていく現象に関係しています。
卵白が完全に固まると、固いゼリーのようになってパキっと折れるようになります。
このイメージがパン生地にも当てはまります。
パンに卵白を配合すると、パン生地がさくっと歯切れの良い食感になります。
さっくりしたパンも美味しいですよね。
軽さがでるので、食べやすくなります。
ただ、逆にいえばパサつき感を感じやすいとも言えます。
そして、卵白の配合量が多くなると必要以上に硬くなります。
全卵をパンに配合する場合も、注意が必要です。
全卵の量が増えれば卵白の配合量も増えます。
『卵白の量が増えると、パン生地が硬くなる』という事は覚えておくと必ず役に立つはずです!
卵白だけ単独でパンに配合することはあるのか?
卵白だけをパンに配合するということは、特殊な場合を除いてはありません。
私の経験上ですが、
今までに卵白だけを配合するパンのレシピに出会ったことがありません。
なぜかというと、卵白のみを配合するメリットがないからだろうと思います。
卵白にはパンの膨らみを補強したり、パンの歯切れを良くするという効果があります。
しかし、配合量が増えるとパンがパサつき硬くなってしまいます。
また、卵白のみを配合しても、パンが卵味にはならないのです。
卵白の効果を活かしつつ、卵の風味をつけたい場合は全卵を用いる方が理にかなっています。
卵と一括りに考えるよりも、卵黄と卵白を別々の視点で見ていくと
卵の効果がより明確になってきます。
卵黄と卵白は同じ卵の成分ですが、性質は全く違います。
その性質の違いの理解した上で、卵の効果を考えるととても面白いですよ(*^_^*)
パン作りでは、卵は欠かせない材料のひとつです。
ぜひ卵の効果を活かしている、色々なレシピに挑戦してみてくださいね♪
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参考資料
科学でわかるパンのなぜ?
パンづくりのメカニズムとアルゴリズム
NEW 調理と理論 第二版