『たくさん泡立てたのに、生クリームが緩い。。。。どうしよう(゚ロ゚)』
この失敗の理由に迷った事はありませんか?
私もその一人です。
動物性の生クリームは値段も高いですしね。心のダメージ大きいです。
動物性の生クリームの箱をよーく見てみてください!
乳脂肪分
ここに書いてあるパーセント%に注目しましょう!
数字は何と書いてありますか?
35%・38%・42%・45%・47%、、、、
実は、生クリームの乳脂肪分は、商品によって様々なのです。
何が違うの?どう使い分けるの?
生クリームの構造に注目して詳しく解説していきます!
【製菓理論】生クリームが泡立つ原理は?乳脂肪分で使い分ける理由
生クリームの乳脂肪分は35%~50%と幅があります。
ここでは、分かりやすいように低脂肪と高脂肪として、乳脂肪分の幅を2つに分けて考えたいと思います。
◎低脂肪⇒乳脂肪分35%~(30%台)
◎高脂肪⇒乳脂肪分45%~(40%台)
40%~42%位のものはその中間の特徴というイメージを持つと、考えやすいと思います。
生クリームは乳漿という水分を多く含んだ部分に、油分の乳脂肪が分散した形の構造をしています。
本来混ざり合わないはずの水と油が、均一になっている。
『乳化』された状態です。
さて、本題に戻ります。
乳脂肪分とは何か?
生クリーム全体に含まれている、乳脂肪の割合のことです!
生クリームの構造のイメージ図を見てみましょう。
低脂肪(乳脂肪分35%~)の生クリームは乳脂肪の間に隙間がたくさんありますね。
一方、高脂肪(乳脂肪分45%~)の生クリームは、乳脂肪が敷詰まっています。
ここで、イメージしましょう。
『人が密集しているライブ会場』と『ほとんど人が歩いていない田舎の道』。
どちらが、そこにいる人が一気に移動した場合に、人同士がぶつかる可能性が高いでしょうか?
もちろん、密集したライブ会場ですね。
生クリームを泡立てるというのは、、
物理的刺激を与え(泡立て器を動かす)
↓
脂肪球同士がぶつかり合い
↓
脂肪球がつながっていくことでクリームが固くなる事を指しています。
*乳脂肪=脂肪球
という事は、乳脂肪分が違えば、泡立った生クリームの固さが違う事がわかります。
具体的にいうと、
◎低脂肪(乳脂肪分35%~)⇒柔らかめでふんわりと軽い食感のクリーム
◎高脂肪(乳脂肪分45%~)⇒締まっていて、しっかりと固さのあるクリーム
上記のような仕上がりのクリームになります。
泡立てすぎに要注意!高脂肪の生クリームは分離しやすい
生クリームを泡立てていたら、、、モロモロになってしまったー(゚д゚lll)
高脂肪(乳脂肪分45%~)の生クリームは、含まれる乳脂肪分が多く、泡立て器で振動を与えると比較的早く固くなってきます。
もう少しかな?とどんどん泡立ててしまうと、終いには水分と油分が分離して
もろもろの状態になってしまいます。
先ほどの図を思い出してみましょう!
生クリームは脂肪球同士がぶつかり合い、脂肪球がつながっていくことで固くなります。
脂肪球が『ぶつかる⇒つながる』をずーっと続けると、、
脂肪球の大きな塊ができて、水分が分離してしまいます。
この脂肪球の塊がバターですね。
自分が買った生クリームの乳脂肪分の%の数字をもう一度みてください!
45%以上の生クリームは、泡立てるとすぐに固くなる。
そして、分離しやすい。これは覚えておいて損はありません。
【お菓子ごとに使い分ける!】ロールケーキに使う生クリームの乳脂肪分は?
頑張って作った純生ロールケーキ!
クリームも綺麗に巻けた( ´ ▽ ` )ノ
冷蔵庫でしっかり冷やして、、、、あれ?
ロールケーキの断面が横にぺちゃっと広がっている。
クリームが緩くて綺麗にまん丸の形を保っていないよ~。。
これも、私の経験談です。
ロールケーキに巻くクリームは、一般的にはゼラチン等はいれずに、
生クリームを泡立てて作ります。
クリームの保形性の決めるのは、泡立てた生クリームの固さ!
復習をすると、
乳脂肪分が高い生クリームの方が、しっかりと締まった固いホイップクリームになります。
ロールケーキの断面をまん丸に高さを出したい場合、
生クリームは高脂肪(乳脂肪分45%~)の生クリームを使うがおすすめです。
少なくとも乳脂肪分40%以上の生クリームを使うと、形がしっかりします。
ただ、お菓子は見た目だけではなく、もちろん味や食感も大切です。
低脂肪(乳脂肪分35%~)の生クリームで作ったホイップクリームは、
軽やかな食感で、味も濃すぎずにあっさりとしています。
合わせる果物や、生地の食感に合わせて生クリームを使い分けると、
バランスの良い味わいのケーキが完成しますよ♪
【作業性を比較!】泡立つまでの時間が早いのは?乳脂肪分で生クリームを使い分ける!
『○○ちゃんが、クリームまぜたい!!』
子どもと一緒にお菓子作りをしよう!と生クリームを泡立てます。
最初はルンルンですよね。泡立て器でぐるぐる~。
しかし、、、
『疲れた~、お母さんがやって!』
まぁ、こうなる運命です(笑)
またまた復習です。
【製菓理論】のところを見てみましょう。
生クリームが泡立つ原理は、クリームの中の脂肪球がぶつかり合い、つながっていくことでクリームが固くなっていきます。
脂肪球がたくさん含まれるのは、高脂肪(乳脂肪分45%~)の生クリームです。
泡立て器で振動を与えると、脂肪球同士がぶつかりやすいのは、高脂肪(脂肪分45%~)の生クリームです。
生クリームが泡立つ時間は
早い 高脂肪(45%~)←←←← 低脂肪(35%~) 遅い
乳脂肪分が高い生クリームの方が早く泡立ち、固くなります。
私は、力の弱い子どもと一緒に作業をする時は、
高脂肪(乳脂肪分45%~)の生クリームを使います!
お菓子作りは作業性も大切です。
ストレスなく楽しめるように、生クリームの乳脂肪分を使い分けてみるのも良いと思います(^^)/
◎まとめ◎味・食感・保形性・作業性!生クリームの乳脂肪分を使い分けてお菓子作りをもっと楽しもう
生クリームの乳脂肪分。
実はとっても奥が深いのです。
選び方は人それぞれ。自分が何を優先してお菓子作りをしたいのか?
◎味が濃くて、濃厚なクリームが良い!⇒高脂肪(乳脂肪分45%~)
◎あっさりしたクリームで、口当たりを軽くしたい ⇒低脂肪(乳脂肪分35%~)
◎クリームがしっかり固くないと、ケーキの形が保てない ⇒高脂肪(乳脂肪分45%~)
◎作業に時間がかかってもクリームを分離しないようにしたい ⇒低脂肪(乳脂肪分35%~)
◎早く泡立てたい ⇒高脂肪(乳脂肪分45%~)
他にも使い分ける理由は、たくさんあります!
だんだん、気になってきましたね(*´∀`*) 乳脂肪分の表示!
もう、乳脂肪分を確認しないと生クリームは買えなくなりますよ~
最後に最も大切なことを書きますね。
レシピに生クリームの乳脂肪分の指定がある場合は、必ず守る!!
レシピに材料の銘柄や種類が明記されている場合は、必ずと言っていいほど理由があります。
その理由は味わいのための事もありますし、
指定のものを使わないと、そもそも失敗してしまう事もあります。
それほど、生クリームの乳脂肪分を使い分ける意味は深いのです。
皆さんのお菓子作りの手助けになれば嬉しいです♪
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参考文献
科学でわかる お菓子の「なぜ?」