皆さんの家では、普段からバターを使いますか?
◎お菓子作りをするときだけ買う。
◎バターは固くて塗るのが面倒だから、パンにはマーガリンを使う。
◎バターは高いから、あまり買わない。
私も、今でこそお菓子やパンを作りますので、冷蔵庫には常にバターのストックがあります。
でも、実家にいた子供の頃は、トーストに塗るのは決まってマーガリン。
バターナイフに柔らかいマーガリンをとってパンに塗り、
いちごジャムをつけて食べるのが大好きでした。
パン作りを始めようかな、ホームベーカリーでパンを作りたいなという時。
たった10gのためにバターを買うの、、、とためらう気持ちも良くわかります。
そこで、今回はマーガリンとバターの特徴を紐解きながら
◎パンの材料のバターをマーガリンに代用できるのか
◎バターをマーガリンにかえると、焼き上がりにどんな違いがあるのか
についてわかりやすく解説していきたいと思います!
マーガリンはどうやって作られるの?
マーガリンは、バターの代用品として誕生したというのは何となく聞いた事があるという方が多いのかなと思います。
代用品なのだから、代用しても大丈夫でしょ!!
という声が聞こえてきます(笑)
そう言わずに、もう少しお読みいただければと思います。
へぇ~と思う知識になるはずです(^^)
マーガリンの原型の誕生は1869年のフランスだそうです。
戦争中でバターが不足した時に発明されたものとの事。
現在は、植物性油脂(大豆油、なたね油など)を主な原料としています。
*一部、動物性油脂(魚脂、牛脂、豚脂など)も使われる。
さらに、バターの味に似せるために、粉乳や香料、色素などを添加し、
水を加えて乳化させたものです。
バターの原料は牛乳ですから、全く違うものであることが理解できますね。
マーガリンは扱いやすくて、作業性抜群!!
冷蔵庫にいれたバターってカチカチですよね。
一方で、マーガリンは適度に柔らかくてパンに塗りやすい。
室温に出しておいても、マーガリンはバターのように、トロトロに溶けたりしません。
当たり前のこの性質は何でなのでしょう??
少し難しい言葉が出てきますが、バターとマーガリンには
可塑性(カソセイ)という、パン作りにはとっても重要な性質があります。
可塑性とは??
バターを冷蔵庫から室温に出してしばらくすると、カチカチに固まっていたものがやわらかくなります。
その状態になると、バターが粘土のように自由に伸ばしたり、形を変えたりできるようになります。
このように、ある範囲の温度帯で、自由に形を変えられる性質の事を可塑性と呼びます。
難しいーー。と思ってきたかもしれませんが、、
この可塑性という性質があると、どんな良い事があるのか??
可塑性を持ったバターやマーガリンをパンに配合すると、
パンが良く膨らんでふんわりキメが細かく、やわらかくなります。
また、やわらかさが長持ちして、日持ちが良くなります。
まさに、バターロールや菓子パン生地のイメージです。
可塑性のある油脂の代表例は、バター・マーガリン・ショートニングです。
この3つはパン作りに使う油脂トップ3です。
覚えておくと、後々に役立つと思いますよ。
さて、可塑性の説明の時にお話しした、とても大切な部分があります。
可塑性の性質がいかされるのは『ある温度範囲』というところ。
もう一度、バターの見た目を思い出してみましょう。
バターは冷えるとカチカチ。夏場に室温に出すとトロトロ。
(可塑性を示す温度範囲:13℃~18℃)
マーガリンは、冷えていても少し温かくなっても、あまり状態が変わらない。
(可塑性を示す温度範囲:10℃~30℃)
バターやマーガリンの可塑性を活かしてパンをやわらかく焼き上げるためには、
上記のような温度範囲に調整したものを使用する必要があります。
バターの温度範囲は狭い。
そのため、必ずと言っていいほどバターの扱いには温度調整が必要です。
一方で、マーガリンの温度範囲は季節を問わず、一般的な室温はだいたいカバーしていますね。
マーガリンはこのような理由があって、とても扱いやすく作業性が良いのです。
また、マーガリンは伸展性が良い(伸びやすい)油脂です。
パンの材料のバターをマーガリンに置き換えると
パンの膨らみは同じか、バターのパンよりもボリュームがでて、柔らかさも長持ちしやすいという性質があります。
可塑性やパンに使う油脂については、こちらのブログに詳しく記載しています。良かったら参考にしてくださいね(^-^)
【パン作りの豆知識】バターの代用にサラダ油を使って良いのか?
バターとマーガリンを使ったパンの味の違い
バターの香りと味については、もう言葉にして書く必要もないと思います。
少量でも、あれほどの風味と美味しさを持つ食べ物はあまりないのではないかと思います。
ただ、パンに配合するのは食パンだったら10g前後です(家庭で作る一回分)。
それだけで、そんなに味が違うの??塗って食べるわけではないし。
これは、断言しても良いです。
まったく違います!!
もともと、パンに使う材料の中で乳製品や卵の風味はとても強いのです。
そのため、焼きあがったパンの香りや味に大きく関わってきます。
誤解しないで頂きたいのは、マーガリンよりもバターの方が美味しいという事ではありません。
味の方向性が全く違うのです。
バターは『特別な雰囲気の乳味と香り』で濃厚な味になります。
マーガリンは『あ~この味この味。』という雰囲気です。
懐かしくとても安心する美味しさで、あっさりした味になります。
家庭で行うパン作りでは、敢えてこの2つの味を使い分けるという事はあまりないかもしれませんね。
でも、美味しさというのは一方向だけではありません。
どんな人が食べるのかな。その人はどんな味が好きかな。
そんな思いで材料を選ぶのも素敵な事だなと私は思います。
◎まとめ◎パン作りのバターをマーガリンに代用することは可能、だけど味と風味は全く違う
バターとマーガリンの油脂としての性質を考えると、バターをマーガリンに代用したとしてもふんわりと柔らかさが長持ちするパンが焼きあがるはずです。
マーガリンは作業性には優れます。
ただし、味と風味は違うものになります。
そして、、
お値段も考えますよね。
マーガリンに比較すれば、バターの値段は高いのが現状です。
味・作業性・手に入りやすさ・価格、、
色々な要素を踏まえて、普段使いの材料を選んでみると納得してパン作りに挑戦できるのではないかと思います(^-^)
皆さんのパン作りの手助けになれば嬉しいです♪
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参考文献
NEW 調理と理論 第二版
科学でわかるパンの「なぜ?」
パンづくりのメカニズムとアルゴリズム