【パン作りの冷蔵発酵】ふわふわの菓子パンをつくるコツとは?

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冷蔵発酵(長時間低温発酵)ではハード系しか作れないの?

一晩じっくり発酵を行う冷蔵発酵。
バケットやカンパーニュなどのハード系のレシピが多いですよね。

では、菓子パンやバターロールなどのふわふわのパン生地は、
冷蔵発酵には不向きなのでしょうか?

ふわふわの菓子パンも、
しっとり食パンも冷蔵発酵で作ることができます。

むしろ、パン生地のうまみも増して、しっとり感もアップ。

冷蔵発酵(長時間低温発酵)を活用すると、
ふわふわだけではない『ふわっもちっ』とみずみずしい食感をつくることができます。

このブログでは、ふわふわの菓子パン生地をつくるコツを冷蔵発酵に注目してお話していきたいと思います(^.^)

冷蔵発酵でふわふわの菓子パン生地をつくる時のイースト量は?

冷蔵発酵はパン作りの発酵の工程を冷蔵庫で行う方法です。
じっくり一晩発酵させるため、通常のパン作りで行う時よりもイースト量を少なくする必要があります。

冷蔵発酵のレシピも無限にありますので、
用いるイーストの量もさまざま。

『通常のレシピよりもイーストの量を何分の一にしてください。』というものもありますが、
イーストの量は発酵する時の温度や時間によって適正な量があります。
最終的にはやってみないとわかりませんという結論になってしまいます。

ただ、考え方としてどれくらいの量を入れるかの基準があると良いと思います。

まずは菓子パン生地の特徴を考えてみましょう。

菓子パン生地はふわふわと大きく膨らみます。そして甘いですよね。

材料の特徴としては、バターや牛乳などの乳製品。
卵や砂糖なども『副材料』も多く配合されています。

ここで副材料と書きましたが、
パンの基本の材料は、小麦粉・イースト・塩・水の4つです。

上記の4つの材料があれば、パンとして完成します(例:バケットなど)。

そして、その4つ以外の材料の事を、副材料と呼びます。
副材料を色々な配合でプラスしていくことで、無限の食感のパン作りをすることができます。

実際には工程も重要ですよ。パンの食感は材料だけの影響ではありません。

さて菓子パン生地の特徴は、まさに『副材料』が多く配合されている事です。

そして、パンをつくるために発酵活動を行ってくれるイーストは、
『副材料』が多いパン生地の中では働きが弱まってしまいます。

???

なぜでしょうか???

イーストは生きている細菌です。
細菌は浸透圧に弱い生き物です。

浸透圧はとても身近な例でイメージするとわかりやすいですよ。
例えば、ナメクジに塩をかけると小さくなるのも浸透圧が関わっています。

ナメクジもイーストも生き物です。
ナメクジの体の周りの塩の濃度が高くなると、ナメクジの体の中の水分が外に出て行ってしまう訳です。

イーストでも同じことが起こります。
パン生地の糖分の濃度が高くなると、イーストの体の中から水分が出て行ってしまうのです。
これは苦しい(;_;)
イーストの働きは弱くなってしまいます。

そのため、菓子パン生地などの糖分の多いレシピはイーストの量が多くなっている事が多いのです。

くわしくはこちらのブログに記載していますので、良かったら参考にしてくださいね(^.^)
【パンの材料Q&A】砂糖の割合で使い分ける!低糖/高糖生地用インスタントドライイーストとは?

冷蔵発酵でパン作りをする時にも、同じように考えます。
菓子パン生地のように、砂糖や副材料の多い配合の場合は、イーストの量は多めになります。

私は、レッスンでも冷蔵発酵のレシピを扱っています。
そのレシピのイーストの量は、小麦粉100gあたり0.3g~0.5gです。
(ベーカーズパーセントで0.3%~0.5%)

なぜこの数値になったかというと、冷蔵発酵のパン作りを研究している時の事です。
イースト臭をおさえるために、イーストの量はできるだけ控えたいと思っていました。
ただ、極端にイースト料が少なすぎると生活の中でパン作りをするのが大変だったのです。

家庭での作りやすさとのバランスを考えて、0.3%~0.5%のイースト量を冷蔵発酵で使っています。

この範囲のイースト量で考えると、菓子パン生地は100gあたり0.5gのイースト量にしています。(ベーカーズパーセントで0.5%)

細かく言えば、色々な配合のレシピを作っていますが、
菓子パン生地のイースト料の基準は0.5%です。

基準の量から微調整しながら、イーストの量を決めています(^^)

ふわふわの菓子パン生地をつくる時のこね具合とは?

冷蔵発酵のパン作りでは、捏ね方を控えめにする?
この言葉もよく目にします。
私自身も色々と試してきましたが、、、

今時点での結論としては、冷蔵発酵であってもしっかり捏ねた方がよく膨らむ生地になると思います。

手ごねの場合は特によく捏ねることをおすすめします。

もともと、女性の力で行う『手ごね』は捏ね不足になりやすいです。

菓子パン生地は、強いグルテンを作ってふわふわとよく膨らむパン生地に仕上げていきます。
また、よく捏ねてグルテンの網目を細かくすることで、きめ細かいパン生地になります。

グルテンのチェックは捏ねたパン生地をよーく見て見極めをします。

◎パン生地の表面がツヤツヤしている
◎弾力がある
◎慎重にパン生地を伸ばすと、簡単にはちぎれずに薄くのばすことができる

よく捏ねて、強くしなやかグルテンを作ることが、ふわふわの菓子パン生地をつくるためには大切になります。

バターなどの副材料が多く、ベタベタとこねにくいのが菓子パン生地です。
大変ですが、しっかりこねていくと必ずまとまってきます。

こねる作業が上手く行ったかどうかで、パンの美味しさがほぼ決まると言われています。

ふわふわときめ細かいパン生地をつくる時は、よく捏ねる。
これは冷蔵発酵であっても、通常のパン作りであっても同じことです。

◎まとめ◎冷蔵発酵でもっちりふわふわ食感の菓子パン生地を作ろう!

冷蔵発酵(低温長時間発酵)のパン作りは、主にハード系を作る方法だと考えている方も多いと思います。

それは勿体無い!と声を大にして言いたいです(^.^)

食パンやテーブルロール、ふわふわの菓子パン生地も冷蔵発酵で作ると、
今までとはちがった美味しさに出会うことができます。

教室のレッスンでは、ひとつのパン生地から2種類のパンを作っています。

例えば、ハロウィンにむけて子供が喜ぶ菓子パンをと考えたのが、スイートブールです。

ふわふわと柔らかいパン生地は、子供のお友達にも大人気ですよ。

右側のくるみパンは、スイートブールと同じパン生地で作っています。
くるみパンというと、シンプルな配合のレシピも多いですが、
ふんわりと甘めのパン生地で作るのもおすすめです。

冷蔵発酵を活用すると、もともと柔らかく仕上がる菓子パン生地も
格段にしっとりさが増します。

冷蔵発酵でふわふわの菓子パン生地を作るコツ。
もし参考になれば嬉しいです(^.^)

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