【パンの材料Q&A】ショートニングの代用にバターを使っても良いのか?/バターに変換する時の水分量ついて解説します

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ショートニングを使ったことがない、という方も多いのではないかと思います。

家庭で作るお菓子やパンは、一般的にはバターやマーガリンを使うものがほとんどです。
お料理で使うこともあまりないですしね。

『ショートニング』という言葉に馴染みはあっても、
実際にはどういうものなのかはわからないものですよね。

私も、パンを作り始めるまでは、買おうとも使おうとも思ったことがないです。
何だかよくわからないものは、手を出しづらい。そのような気持ちだったと思います。

このブログでは、ショートニングの特徴を学びつつ、

◎パンのレシピの材料のショートニングをバターに代用できるのか?
◎ショートニングをバターに変換した場合の水分量

についてわかりやすく解説していきたいと思います!

【ショートニングの歴史】ラードの代用品だった

最初に豆知識を紹介しますね!

ショートニングの歴史は19世紀のアメリカで開発されたものです。
その当時はラードの代用品として誕生しました。

マーガリンが『バターの代用品』というのは有名ですが、
これは私にとっては「へぇ~」という驚きがありました。皆さんはどうでしょうか?

ショートニングはほぼ100%が油脂成分

ショートニングの成分は油!!と言われても、当たり前でしょ。
私もそう思います。

しかし、ちょっと視点を変えて考えてみると面白い事がわかります。

バターやマーガリンの成分は100%が油脂分でしょうか?

この答えはNoなのです。

バターの原料は牛乳です。
手作りバターを作った事のある方はイメージしやすいと思います。
原料が同じく牛乳である生クリームを、ずっと攪拌していると手作りのバターができますね。

牛乳の表示をよく見ると、『乳脂肪分○○%』と書いてあります。

この乳脂肪分をギュギュッと凝縮したのが、バターという事になりますね。

無塩バターには、脂肪分が約83%と水分が約15.8%が含まれています。

製法は全く違いますが、バターの代用品として開発されたマーガリンにも水分が含まれています。

日本マーガリン工業会のホームページにも、ショートニングとマーガリンのJAS規格が記載されていましたのでリンクをご紹介しますね。

https://j-margarine.com/jas/jas/

上記のホームページを参考にマーガリンとショートニングの水分量を書きますね。

マーガリンの水分量は17.0%以下。

ショートニングの水分量は0.5%以下

バターとマーガリンには15%位水分が含まれています。
意外と多いですよね。
バター=油脂というイメージが強いですが、水分も一定量含んでいるのです。

一方で、ショートニングの水分量は0.5%以下です。

ショートニングは主に植物性油脂(動物性油脂を用いる事もある)を原料としていて、
ほぼ100%が油脂成分になっています。

成分だけ考えても、ショートニングはバターとは全く違うものだと言うことがわかりますね。

ショートニングとバターは固形油脂

パン作りで使用する代表的な油脂は、やはりバターです。

レシピ本やインターネットのレシピでも、パンの材料にバターを使っているものが最も多いのではないかと思います。

もともと家庭用のレシピでは、手に入りやすい材料を使うことが多いという理由もあると思います。

しかし色々なレシピを見ていると、オリーブオイルやサラダ油を使うレシピも見つけることができます。

オリーブオイルとバターは見た目が明らかに違いますね。

そうなのです。油脂は常温で液体なのか固体なのかで、分類する事ができるのです。

固形油脂(常温で固体)・・・バター、マーガリン、ショートニング等

液状油脂(常温で液体)・・・サラダ油、オリーブオイル

そして、それぞれのグループは性質が似ています。
そのため、パンの材料として考える時も、各グループごとに特徴が似ているのです。

ショートニングとバターは可塑性を持つ

ショートニングとバターは常温で固体の固形油脂です。

先ほどもお話した通りに、固形油脂と液状油脂はそれぞれのグループで性質が似ています。

固形油脂のショートニングとバターを配合したパンは次のような特徴があります。

◎ふんわりとよく膨らんで、パンにボリュームがでる。

バターロールや菓子パン等をイメージするとわかりやすいと思います。
とても柔らかくふんわりした食感になりますよね。

このように、パンがふんわりと膨らむようになるのは、これらの固形油脂の可塑性(カソセイ)という性質が関係しています。

可塑性について、こちらのブログにも記載しています。
【パン作りの材料Q&A】ショートニングの役割とは?/ショートニングを配合する理由についてわかりやすく解説します

皆さんが使う事の多いバターを思い浮かべてみてください。

バターは冷蔵庫で冷えている状態では、カチカチに固いですよね。
でも、室温に出しておくと粘土のように自由に形を変える事ができるようになります。

例えば、適度に柔らかくなったバターで、ハート型を作ることもできてしまいます(^^)
まるで粘土のようですよね。

このように、バターを自由に形を変えられる状態でパンに練りこみます。
すると、パン生地と一緒に伸びて馴染んでいきます。

結果として、バターがパン生地全体に広がっていき、パン生地自体がよく伸びるようになるのです。

そして、よく伸びるパン生地は、オーブンの中でも大きく膨らむことができるのです。

ショートニングをパン生地に練りこむ場合は、バターとは違う状態でパン生地中に存在しているとかんがえられています。

バターはパン生地全体に薄い膜状に広がっていると考えられていますが、
ショートニングは油滴の状態でポツポツと点在しています。

そのために、ショートニングの油がオーブンで焼かれた時、
パン生地の中でもろく崩れる部分ができます。

このような理由から、

ショートニングを配合したパンはふんわりとよく膨らみ、さらに歯切れの良い軽い食感になります。

ショートニングを使用したパンの味は?

ショートニングは無味無臭の固形油脂です。

そのため、パンに配合しても『ショートニングの香りがする~』と感じることはありません。
一方で、バターの濃厚な香りは、最終的にパンとして焼き上げられた後にも残ります。

バター入りのパンは、バターの風味がする。

そのままの事ですが、これが味の決め手になるのです。

では、無味無臭のショートニング入りのパンは小麦粉の味が活きたあっさりとした味のパンになります。

パン作りでショートニングをバターに代用できるのか?

本題に戻りましょう!

今までのポイントを整理します。

【似ている性質】
◎バターとショートニングは固形油脂
◎バターとショートニングを配合したパンはよく膨らむ

【異なる性質】
◎バターよりもショートニングをも配合したパンは歯切れの良い軽い食感になる
◎バターのパンはバター風味
◎ショートニングのパンは小麦粉の味が活きた風味になる
◎バターは水分を約15%含むが、ショートニングは100%油脂分

上記のポイントを考えると、バターとショートニングは似ている部分と、個々に特徴的な性質がある事がわかりますね。

さて、、ショートニングをバターに代用できるか?
皆さんはどのように考えますか。

ここでは、私自身の考えをご紹介したいと思います。

ポイント①パンの食感や膨らみを同じにしたい
もし、ショートニングをバターに代用したとしたら、食感の違いはありますが、
パンはふんわりとボリュームのある仕上がりになります。

パンのボリュームを重要視するのであれば、代用する事は可能だと思います。

ポイント②味や風味を同じにしたい
この点については注意が必要です。
ショートニングを配合したレシピには、それなりの狙いがあるはずです。
バターを配合したパンは、良くも悪くもバター風味になります。

そのレシピのパンは、あっさりと飽きのこない味にするためにショートニングを使用しているのかもしれません。
または、小麦粉にこだわりがあって、小麦粉の味を存分に活かしたいという事も考えられます。

もし、レシピの材料のショートニングをバターに代用してしまうと、
完成したパンは同じ風味や味にはならないのです。

そのため、味を同じにしたいと考えるなら、ショートニングをバターに代用することはできません。

ショートニングをバターに代用する場合のパンの水分量

パン作りでショートニングをバターに代用する時に、
分量をそのまま置き換えて良いのかについて考えて行きたいと思います。

例えば、10gのショートニングを10gのバターに代えて良いか?という事です。

すでにお話していますが、バターは約15%の水分を含みます(製品により違いがあります)。

一方で、ショートニングはほぼ100%が油脂分です。

例えば、10gのバターには1.5gの水分が含まれるという事になりますね。

パン作りでは、材料の水分の量の調整がとても大切です。
家庭で作る一般的な分量いえば、数グラムの水分の違いでパン生地の固さはかなり違ってきます。

ただ、、パンのレシピでショートニングを使用する時に、そこまで多くの配合量にする事は少ないのではないかと思います。
基本的にはそのままの分量を置き換えても問題はないだろうと私は考えています。

もともと、レシピを全く同じ小麦粉でない事も多いので、小麦粉が吸収する水分量も違います。

小麦粉100gに対して10g前後のショートニングの量であれば、そのままの量をバターに置き換えてしまっても、パン生地として扱えなくなるほどの変化にはならないと思います。

ただ、油脂の配合量が多い場合は注意が必要です。
この場合は単純に油脂の種類を代えてしまうという事自体を、避けたほうが良いのではないかと思います。
性質の違いや成分の違いから考えても、失敗する確率も上がってきます。

◎まとめ◎ショートニングの特徴を知ると、パン作りの幅が広がる!

ショートニングには他の油脂にはない個性がたくさんあります。

パンの材料の小麦粉の風味を活かしつつ、ふんわりとボリュームのパンを焼くことができます。

初心者の頃はなかなか手を出しづらい材料かもしれませんね。

油脂の種類を使いこなせるようになったら、かなりの達人です(^^)

ひとつひとつ学んでいくと、パン屋さんに売られているパンを見る目が変わります!

ぜひ、色々な角度からパン作りを楽しんでくださいね♪

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参考資料
科学でわかるパンの「なぜ?」
パンづくりのメカニズムとアルゴリズム
NEW 調理と理論 第二版