【パン作りの材料Q&A】牛乳をいれたときのパンの食感の特徴と効果とは?

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牛乳パンってふわふわで美味しいよね。
そんなイメージありませんか?

家庭のパン作りでは、材料に牛乳を使っているものが多いですよね。
色々が疑問が沸いてきます。

水に置き換えたらだめなの?
水を牛乳に変えたらどうなるの?
水と牛乳と両方使うレシピがあるのはなんで?

パンはイーストが発酵を行うことで膨らみます。
水と牛乳は同じ液体ですが、
牛乳には水分以外にたくさん成分が含まれています。

パン作りはまさにミクロの世界の変化。
私たちにとっては、ほんの少しの成分であっても
発酵やイーストの働きに大きく影響するのもあります。

このブログでは、牛乳で仕込むパンの食感の特徴と効果についてお話します。
そして、牛乳入りのパンのおいしさの秘密を改めて知って頂ければ嬉しく思います。

牛乳のコクと風味を生み出す乳脂肪分と無脂乳固形分

牛乳の成分のうち約87.8%が水分です。
やはり牛乳のほとんどが水分なのです。

では、牛乳の味を決めているのは
残りの12.2%をしめる乳固形分という事になりますね。

乳固形分はさらに、乳脂肪分と無脂乳固形分に分かれます。

乳脂肪分は油分です。
ここを集めたのがバターになっていきます。

突然ですが、バターって美味しいですよね。
バターを美味しいと感じるのと同じで、油分は濃厚な風味と旨みがあります。

牛乳をパンに入れると、乳脂肪分の効果でこっくりと濃厚な味わいになるのです。

水分・乳脂肪分。残りは無脂乳固形分ですね。

余談ですが、脱脂粉乳はこの無脂乳固形分とほぼ同じものです。
家庭用だとスキムミルクとして売られていますね。

パン作りでもスキムミルクを材料として使うレシピが多くあります。
ということは、無脂乳固形分には牛乳の味の決め手になるものが含まれていると予想できますね。

タカナシさんのホームページにおもしろい記事がありました。
https://www.takanashi-milk.com/html/page19.html

タカナシさんの生クリームとして、無脂乳固形分をプラスした商品があるそうなのです。
無脂乳固形分はミルク感をプラスし、風味が持続するとのこと。

脱脂粉乳と聞くと、淡白な味を想像してしまうのは私だけでしょうか?
無脂乳固形分には、実はミルキー感をプラスする底力が隠されているのですね。

牛乳の乳脂肪分はパン生地のグルテンをできにくくする

パン作りではバターなどの油脂分を混ぜる時に注意点があります。

一般的にパン生地をある程度捏ねてまとまってきたタイミングで、
バターをパン生地に練りこんでいくことが多いです。

なぜ最初から混ぜ合わせないのかというと、、
油分はパン生地のグルテンが作られるのを抑えていまうからなのです。

もっとくわしい理由を知りたい方はこちらのブログも参考にしてくださいね。
【比較/検証!】パン作りのバターは後入れ?最初から?味や膨らみに影響するのか試しました!

牛乳は水分として最初から他の材料と一緒に練り合わせていきます。

そのため、ミクロの世界では牛乳に含まれる乳脂肪分がグルテンの生成を抑えているのです。

ただし、牛乳に含まれる乳脂肪分は3.7%程度です。
もし100gの牛乳を使うレシピであれば、乳脂肪分は3.7gです。

牛乳の配合量がそれほど多くない場合は、パンがだれてしまう程の影響はないはずです。

さて、牛乳入りのパンの食感について深堀りしていきますね。

この乳脂肪分は、パンの食感にかなり影響してきます。

高級食パンが流行った時、生クリーム入りのパンがよく売られていました。
食べたことがあるでしょうか?

ものすごくふわふわで、弾力が少ないのです。
とても歯切れが良く、口溶けがよくなる感じですね。

高級食パンは、生クリームだけでなく他の材料もかなり含まれているので、
独特のふわふわ感は乳脂肪分だけの影響ではありません。

ただ、生クリームが含まれるパンの食感は特徴的です。
ミルキーで濃厚なコクとふわふわと引きのない食感が印象強く残ります。

牛乳に含まれる乳脂肪分は生クリームに比べれば、ほんの少しの量です。
しかし、パン生地のミクロの世界では少なからず食感に影響してきます。

牛乳の配合量が少ない時は、歯切れが良くて、適度にフンワリ感を出します。
そして、牛乳の量が増えるほどサクッふわっとして口溶けの良い食感になりますが、
膨らみがわるくなり多少目の詰まったパンになると感じています。

ここで、注意したいことがあります。
牛乳の配合量が多すぎると、逆に膨らみは悪くなります。
ふわふわにさせたいからといって、
やみくもに牛乳の量を増やしても上手くいかないのです。

この原因についてはくわしくはこちらのブログを参考にしてくださいね。
【パン作り】牛乳入りのパン生地が固くなるって本当?

最終的なパンの食感はかなり複雑です。
どんな小麦粉を使うのか?どれくらい発酵させるのか?
色々な要素によって、パン生地の食感が決まってきます。

牛乳をいれた時の食感の特徴について知っていると、
自分でレシピをアレンジしたいなぁというときに必ず役に立ちますよ。

牛乳の乳糖はパンの焼き色を濃くする

牛乳には乳糖という糖分が含まれています。

イーストは糖分を栄養源にして発酵活動を行いますが、
すべての糖類を栄養源にできるわけではありません。

乳糖はイーストの栄養源としては使われないので、
最後までパン生地の中に残ります。

糖分はこげやすいですよね。

この理由は『カラメル化反応』と『メイラード反応』が関わっています。
くわしくはこちらを参考にしてください。
【パンの材料Q&A】砂糖入りのパンがふわふわ柔らかい理由は?/パン作りの砂糖の役割を詳しく解説します

パンの焼き色は、パンに香ばしさを出します。
適度に焼き色がつくことは、パンの風味や香りの重要なポイントなのです。

牛乳が入ったパンは、焼き色がつきやすい。

この事を覚えておくと、オーブンの温度の設定にも役立つと思います。

パンの柔らかさが持続する!牛乳の保水効果

牛乳には水と油(乳脂肪分)が含まれています。
本来、水と油は混ざらないはずですよね、、、

でも牛乳は綺麗に真っ白。
ドレッシングのように分離しませんよね。

それはなぜか?というと、
牛乳の液体は『乳化』している状態だからです。

牛乳の場合、水中油滴型といって水の中に油分が均一に分散している状態です。

図にあるマッチ棒のようなものは『乳化剤』です。
マッチの青い部分が水ととても仲良しです。

そのため、牛乳は水の分子ととても結びつきやすいのです。
保水性の高いパン生地は、焼き上がりもしっとりしますし
その柔らかさが長続きします。

牛乳をパンにいれることで、パンの柔らかさが持続するようになります。

牛乳を配合するレシピには多くの意味があることがわかりますね。

◎まとめ◎牛乳入りのパンはミルキーでふわふわ!しっとり長持ち効果も大切

パン作りで牛乳を使う効果と、食感の特徴についてお話しました。
下記にポイントをまとめますね。

◎乳脂肪分の濃厚なコク、無脂乳固形分のミルキー感。
◎乳脂肪の油分が、さくっと歯切れのよい食感をうみだす。
◎入れすぎると、膨らみが悪く目の詰まった仕上がりになりやすい。
◎乳糖がパンの焼きいろを濃くし、香ばしさがプラスされる。
◎乳化した状態の牛乳は保水性が高く、パンのしっとり感が長持ちする。

牛乳にはミルク味だけではない、さまざまな役割がありますね。
私もこれらの牛乳の効果を期待して、パンのレシピに活用しています。

やはりレシピを考えるときも、単に味だけで材料をきめるわけではありません。
イーストは生きていますし、発酵への影響も常に考える必要があります。

牛乳の効果。
とってもおもしろいですよね。

色々なレシピを見るときの参考になれば嬉しいです(^^)

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参考資料
科学でわかるパンの『なぜ?』