焼きたては美味しいのに。冷めるとパサパサするし、後味に変な味?
お店に売っているようなパンが焼きたいのに、なんで。。
家庭の手作りパンは失敗とギモンの連続です。
どうして上手くいかないの?
そう気になりはじめると、『○○ 原因』と検索して探しますよね。
私もそうです。今でもパン作りはギモンだらけです。
数々の失敗もしました。
パッサパサのパンも、変な香り?のするパンもたくさん作りましたよ。
イーストで作るパン。
何時間かけて作っていますか?
私は通っていたパン教室で、少しのイーストで作るパン作りに出会いました。
そこから、さらに自分でイーストの量をさらに減らしながら研究しました。
ぐんとパンの味が変わりました。
パンがふんわりと柔らかくなりました。
誤解のないようにはじめにお話しますね。
パン作りのイースト量には適正な量があります。少ないから素晴らしいわけでもないと考えています。
結果的に美味しいパンが焼ければ良いはずです。
時短で作るパンも、簡単に作るパンも、家庭で作るからこそ楽しめるパン作りです。
家庭では生活の中で趣味に時間をかけることが難しいことも多くありますし、
その中で手作りを工夫して楽しむことも必要です。
このブログでは、イースト量を控えて発酵で熟成させるパン作りを知っていただきたいと思っています。決して、時短や簡単に作るパン作りを否定するものではないのでご了承頂ければと思います。
たくさんイーストを使うパン作り、一度立ち止まって見直してみませんか?
焼きたてパンは美味しいのがあたりまえ
焼きたてのパンは最高!
これは私も賛同します。単純に美味しいですよ。柔らかいですしね。
ただし!
パン生地そのものの美味しさが感じられるのは、パンが『冷めてから』です。
その理由をお話していきます。
焼きたては、ねちゃっとした食感でどんなパンでも噛みごたえのないやわらかい食感になります。
焼いた直後のパンは、水蒸気が抜けきっていない状態だからです。
また、イーストは発酵をして、アルコールをだします。
焼きたては、そのアルコールなどの発酵臭を強く感じます。
パンの小麦の香りや他の材料の風味もあまり感じられません。
一方で、冷めるともちろん焼きたてのやわらかさはなくなります。
しかし、パン本来の美味しさをキチンと感じるようになります。
◎ふんわりと程よい弾力があって、口溶けの良い食感。
◎小麦やバターなどの材料の味わい
◎強い発酵臭が抜けて、奥深い風味になる
『冷めたら美味しくなくなった。』
そう感じる場合、配合や工程のどこかに原因があるはずです。
手作りパンが冷めると感じるイースト臭
手作りパンを食べると、パン屋さんのパンと違う味がする。
後味がなんか変?
イースト臭はかなり刺激のある香りです。
ずっと嗅いでいたいと思うような香りではないと思います(^_^;)
ただ、普段の生活の中であまり馴染みのない香りだと思いますので、
実際にはイースト臭の残ったパンを食べても、気がつかない事も多いと思います。
そして前章でもお話しましたが、
焼きたてはパンの味がよくわからないので、何となく美味しく感じます。
でも、冷めたときにイーストの刺激のある香りが残るパンになってしまうのですね。
パンが冷めたら、美味しくなくなった。そんな印象をうけることになります。
パンにイースト臭がする理由は色々ありますが、
イーストの量が多すぎることが原因のひとつです。
単純にイーストの量が多ければ、イースト臭を感じるパンになります。
そのパンのレシピがシンプルであればあるほど、イースト臭を強く感じます。
私はどんなに多くても小麦粉100gに対して1gより多いイーストを使うことはありません。(ベーカーズパーセントでイースト量1%)
菓子パン生地でも、1%より多いイーストを使うことはありません。
イーストの量が1%より少ない量であれば、
イースト臭を強く感じないパンが焼きあがると感じているからです。
それでも、イーストパンにはイーストの香りがします。
それは考えればあたり前ですよね。
天然酵母を使えば、天然酵母の香りがするパンが焼きあがるのと同じです。
イーストの香りが悪いわけではありませんが、
イースト臭が強く残るパンを美味しいを感じる方は少ないのではないかと思います。
イースト臭を控えて、小麦や他の材料の味わいを存分に感じるパン。
私自身は、そういうパン作りを目指しています。
イーストの量を少なくしていけば、イースト臭を感じにくくなります。
ただ、発酵時間は長くなります。
家庭でのパン作りも、作業にかかる時間とイーストの量とのバランスを考えてレシピを考えることが必要になってきますね。
手作りパンはパサパサ固くなるのが早い?
手作りのパンは、添加物が入っていないからすぐに固くなってしまう。
本当にそうでしょうか?
私もパン作りをはじめて数年間はそう思っていました。
でも実際はそうではありませんでした。
イーストの量が増えると、発酵時間は短くなります。
インスタントドライイーストの中には、とんでもない数の菌がいます。
そのイーストが1g増えれば、相当な量の菌数が増えることになります。
イースト菌の数が増えれば、どんどん発酵して炭酸ガスをだします。
プクプクと一気にパン生地は膨らみますよ。
捏ねた後の一次発酵の時間はあっという間です。
こんなに早くパンは発酵するのかぁ、そんなイメージです。
ここでギモンが生まれます。
◎大量のイーストで短時間で一気に発酵させたパン
◎少量のイーストで長時間でじっくり発酵させたパン
同じ約2倍の大きさに膨らんだら、同じ味のパンになるのでしょうか?
答えはNOです。
実際にやってみればわかりますよ。雲泥の差がでます。
私は少量のイーストで長時間発酵をさせたパンを美味しいと感じます。
◎パン生地のやわらかさが長続きする
◎イースト臭がしない
◎小麦の甘みやバターなどの乳製品の良い香りがする
◎発酵の奥深い味がする
長時間熟成のメリットについては、こちらのブログでくわしく記載していますので、参考にしてくださいね。
【手作りパンが翌日まで極潤しっとり!】冷蔵発酵(長時間低温発酵)のメリットとは?
このブログでは、大量のイーストで短時間で作るパンが、すぐに固くパサパサになる原因について考えていきたいと思います。
『水和』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
実は、パン作りの用語としてはよく登場する用語なのです。
もともとは、パン作り専用の言葉というわけではありませんが、
パン作りの中では『パン生地の水和がすすむ』というように使います。
パンの材料に含まれる水分が、小麦粉の粒の芯の部分まで染み込んでいくというイメージです。
ご飯を炊くとき、お米を水に浸けておきますよね。
お米の芯まで水分がいきわたっていると、ふっくらツヤツヤの美味しいご飯が炊けます。
パン作りにおいては、小麦粉の中の成分と水ががっちりと手をつなぎます。
そうすると、オーブンで焼いても水蒸気として飛ばずに、パン生地の中に水分が多く残るのです。
水和が十分にすすんだパンは、時間がたっても固くなりにくく、
しっとり感長持ちします。
そして、水和には時間が必要です。
小麦の粒の表面だけに水が触れていてもダメなのです。
粒の奥の奥まで、十分に水分が行き渡るには時間が必要なのです。
そのため、イースト量を多くして短時間で作ると、パンは翌日には固くなってしまうのです。
水和については、こちらのブログで深堀してお話しています。
【パン作りの豆知識】水和とは?パン生地のしっとり感が長持ちする!
手作りパンが膨らんでいない!?固い食感の原因とは?
イースト量と発酵時間は反比例します。
◎イースト量が多い↑ ⇒ 発酵時間は短い↓
◎イースト量が少ない↓ ⇒ 発酵時間は長い↑
大量のイーストをいれたパン生地は、一次発酵でぐんっと一気に膨らみます。
その時のパン生地の表面。
ひどい時はがっさがさです。荒れています。
艶がありません。
これは、パン生地が傷んでしまった証です。
大量のイーストをいれて、短時間で発酵させたパン生地は明らかに傷みます。
そうなると、ブヨブヨの弱い風船と同じ状態です。
発酵で生じる炭酸ガスを支えきれずに、風船は割れてしまいます。
結果として、パン生地は膨らまなくなります。
膨らまないパン生地の断面は、密な状態。
固くモロモロとして、口溶けが非常に悪い。
口の中の水分を持っていかれるような食感のパンになってしまうのです(゚д゚lll)
この理由を深堀りして説明しますね。
捏ねた後すぐのパン生地は、弾力のあるゴムのように固いですよね。
プリプリとして張りがあります。
この状態のパン生地を太くて固いゴムだとイメージしてください。
このゴムを引き伸ばそうとすると、どうなりますか?
ぶちっ(゚ロ゚)
切れました。
パン生地も同じように、弾力が強いときに一気に発酵させて膨らませると、
部分的にたくさんの生地が切れて傷んでしまいます。
大量のイーストを使えば、短時間に発酵しますから、
このように傷んだパン生地になる可能性が高くなるのです。
では、頭を切り替えます。
発酵後のパン生地の様子を思い出してみましょう。
とっても柔らかくてふんわりしていますよね。
パン生地は寝かせるだけで、勝手に柔らかくなります。
これは小麦粉の性質です。
うどんを打つ時に、休ませたり寝かせたりするのも、
この小麦粉の性質を利用したものです。
パン生地は寝かせるだけで、柔らかく伸びるようになります。
ゴム風船のように薄くのばしても切れません。
このやわらかい状態になるためには、『時間』が必要なのです。
少量のイーストでゆっくり発酵させると、
パン生地は時間が経つごとに柔らかくなります。
パン生地が柔らかくなるスピードをパンが膨らむスピードが追い越さなければ、
パン生地を傷めることなくふんわりとパン生地が膨らんでいきます。
長時間発酵を行うと、非常に伸びのよいパン生地に仕上がります。
伸びの良いパン生地は、オーブンの中でも大きく膨らむのです。
結果として、ふんわりとやわらかいパンが焼きあがるという事になります。
◎まとめ◎イーストの量でパンの味はかわる!少ないイーストで長時間冷蔵発酵のパン作りを試してみませんか?
イーストの量に注目して、パン生地がどう変わるのかをお話しました。
メリットとデメリットをまとめてみたいと思います。
【大量のイーストを使うパン作り】
メリット
◎短時間でパン作りを行うことができる
デメリット
◎イースト臭を強く感じる
◎短時間で作るパン生地は『水和』が不十分で、すぐ固くなる
◎発酵が一気にすすむため、パン生地が傷んで膨らみが悪くなる。その結果固くてパサパサした食感になる。
少量のイーストで長時間発酵させて作るパン作りでは、この逆の考え方をすれば良いですね。
『長時間発酵は時間がかかるから大変』そう思うあなたへ。
冷蔵発酵という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
前日にパン生地を捏ねて、冷蔵庫で一晩じっくり発酵させます。
翌日の都合が良い時間にパンを焼き上げる方法です。
実際にパン作りにかかる時間は長くなりますが、自分の拘束時間はとても少なく楽チンです。
冷蔵発酵のパン作りについてはこちらのブログでくわしく説明していますので、
ぜひ参考にしてくださいね。
【手作りパンが翌日まで極潤しっとり!】冷蔵発酵(長時間低温発酵)のメリットとは?
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