【こねないパンが膨らまない!】失敗の原因とやわらかい食感にするためのコツ/ふわふわのフォカッチャのレシピ大公開!

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こねないパンは膨らまない。
固くなってしまった。

冷めるとおいしくない。

このようなお悩みをもつ方は必読です。

私が最初にこねないパンに挑戦した時。
まぁまぁおいしかったのですが、焼きたてだけ。

ふゆき
ふゆき

パンが冷めるとムチっと固くなって、残念な思いをした経験があります。

私はやわらかいパンが好きで、ふわふわのパンを作るのが得意です。

ですから、こねないパンもふわふわにしたい!

その思いで試行錯誤した結果。

ふゆき
ふゆき

ふわふわで翌日もしっとり。
こねないフォカッチャのレシピを考案しました。

冷蔵発酵ヨーグルトフォカッチャ

このブログでは以下の内容がわかりますよ!

・こねないパンが膨らまない原因
・こねないパンをふわふわにする秘訣
・冷蔵発酵でつくるこねないヨーグルトフォカッチャのレシピ

こねないパンを成功させるためのカギは『グルテンの性質』です。
パン生地の奥深い部分を知ると、失敗がぐーんと減りますよ。

そもそも…こねないパンはなぜ膨らむ?

パン生地は必ずと言って良いほど、捏ねますよね。

それが当たり前だと思っていましたから、
『こねないパン』という言葉が世の中に出た時の衝撃はすごかったと思います。

ふゆき
ふゆき

こねないのにパン生地が膨らむのはなぜ?

グルテンの性質に焦点をあてて、お話していきますね。

こねないパンでリュスティック

パン生地が膨らむための骨格になるのが『グルテン』です。

ですから、『グルテンを作るぞ~』とパン生地を一生懸命捏ねるわけです。

図1

図1をみてください。

小麦粉の中には、グルテンをつくるもととなるタンパク質(グルテニンとグリアジン)があります。

この2つのたんぱく質(グルテニンとグリアジン)に水を加えて捏ねるとグルテンの網目状の膜ができる。
【捏ねる=力】

これが一般的に知られている事だと思います。

実は、もうひとつグルテンを網目状の膜にする技があります。

この答えがわかる人。
かなりパンマニアだと思いますよ。

ふゆき
ふゆき

グルテン膜を作るのは【力】ともうひとつは【時間】です。

時間をおくと、グルテン膜がつながる様子を写真に撮りました↓↓

まぜた直後の生地
寝かせた生地

写真のパン生地は全く捏ねていません。

ゴムベラでぐるぐる混ぜて、放置しただけです。

それなのに、寝かせた後の生地はツヤっぽくなめらかになりました。
そして、ビヨーンとよくのびる生地に変化します。

これは【時間】をおくことで、生地の中でグルテン膜が網目状につながっていくからです。

小麦粉に水を加えてまぜて、寝かせるとグルテン膜が網目状につながる。
【寝かせる、発酵=時間】

グルテン膜ができる2つの要素をまとめると図2のようになります。

図2

【力】と【時間】
このふたつが、パンがよーく膨らむために絶対に必要です。

グルテンの弾力と伸びのバランスが命

次に、グルテンがもつ最大の能力についてお話したいと思います。

イメージしていただきたいのは、みなさんが普段から触っているパン生地です。

捏ねた直後の生地
(弾力があってプリプリ)
発酵後(寝かせた)生地
(ふわふわでやわらかい)

パン生地の骨格を作っているのはグルテン膜です。
この生地のイメージをグルテンの働きに注目して考えてみましょう。

まとめると、以下のようになります。

グルテン膜を作るのは【力】と【時間】です。
力を加える】⇒グルテンが緊張する⇒パン生地に弾力がでる

【時間をおく】⇒グルテンが弛緩する⇒パン生地がよく伸びるようになる

ふゆき
ふゆき

よく考えてみると、パン作りは【力を加える】のと【寝かせる】工程の繰り返し…(図3)

図3 パン作りの工程

パン作りの工程は、力を加えて弾力のあるグルテンを作り、
休ませることで伸びの良いグルテンを作る。

要はずーっとグルテンを作っているわけです。

『一次発酵と二次発酵の2回の発酵をとるのって意味あるのかな』
と考えたことはありませんか?

この答えは、簡単です。

1回しか発酵しないと、弾力と伸びのバランスが良いグルテンができないのです。

オーブンにいれる直前に、ゴム風船のようなしなやかに伸びるグルテンを作る必要があります。

弾力と伸びのバランスが崩れたパン生地は、ふっくら膨らみません。

パン作りで意味のない工程はひとつもありません。
つまり、私たちのパン生地の扱い方次第で、パンの膨らみ方は全く変わるということですね。

いくらレシピの配合がよくても失敗するのはこれが原因。

パン作りは難しい(苦笑)

図4

パン作りは小麦粉の中のグルテンを育てているようなものです。
その中でイーストが、うまーく働いてくれる。

このイメージをもっていると、パン作りの意味みたいなものがよくわかるようになります(^-^)

【こねないパンがふくらまない原因①】パンチをしていない

本題に入りましょう。

こなないパンは捏ねないのです!
当たり前ですが…(笑)

捏ねないと、弾力のないパン生地になります。

ふゆき
ふゆき

こねる代わりにパン生地に弾力をつけるのが、『パンチ』です。

パンチの効果については、こちらのブログを参考にしてください。
【検証】きめ細かい食パンを作りたい!『パンチ』の効果と意味について解説

ここでは、高加水のこねないパンで行うパンチをご紹介します

色々とやり方はあると思いますが、
私はへらを使って生地を引き伸ばすようにパンチを行います。

こねないパンのパンチの様子

ちょうど、手ごねで引き伸ばして捏ねる作業ににています。

手ごねで生地を引き伸ばす様子

このようにパンチをして、捏ねないパンに弾力をつけてあげます。

グルテンのところでお話しましたが、
ふっくら膨らむためには
【弾力】と【伸び】のバランスの良いパン生地になってほしいわけです。

捏ねないパンは弾力がとても弱いので、
少しでも弾力をつけてよく膨らむ生地にするために【パンチ】は必須になります。

【こねないパンが膨らまない原因②】一次発酵が短時間

こねないパンのレシピのほとんどは、長時間発酵だと思います。

ふゆき
ふゆき

短時間でこねないパンはできないの?

正直、できないわけではないと思いますが、
『冷めてもやわらかい』ふわふわのパンにはならないと思います。

こねないパンでふわふわカンパーニュ

こねないパンを長時間発酵でつくる理由は、【時間】をかけてグルテン膜を作るためです。

グルテン膜を作るのは【力】と【時間】ですね。

こねないパンは捏ねないので【力】が弱いのです。
なので、【時間】をかけてグルテン膜の網目を作っていきます。

【力】も【時間】もかけずに、よーく膨らむグルテン膜を作ることはできないはずです。

短時間でつくるこねないパンが柔らかいのは、焼きたてだけだと思いますよ。

【こねないパンが膨らまない原因③】一次発酵で発酵不足

一次発酵は、パン生地をお休みさせる時間です。

図3

お休みさせるということは・・・

グルテンが弛緩して、伸びの良いパン生地になる。

その通りなのですが。

少し難しい話になります。

ふゆき
ふゆき

実は一次発酵中、イーストが出す炭酸ガスはパン生地を膨らませて、
内側からグルテンに【力】を加えています。(図5)

図5

一次発酵でパン生地が膨らむ時、パン生地に【力】がかかって弾力もつきます。

イーストの炭酸ガスの刺激でパン生地に圧力をかけているわけです。
イーストが良い仕事してますよね。

ですから、こねないパンは一次発酵でしっかり膨らませるのがコツです。

発酵不足はNG!

そもそも弾力の弱いこねないパンに、【時間】をかけて【力】を加える大切な工程が一次発酵ですよ。

こねないパンの一次発酵後(2.5倍くらいに膨らんでいる)

【こねないパンが膨らまない原因④】一次発酵で過発酵

発酵不足がNGなら、やはり過発酵もダメ。

過発酵は、パン生地がビヨビヨのゴムのように伸びきった状態です。

図6

何回も同じお話になってしまいますが、
パン生地が大きく膨らむためには【弾力】と【伸び】のバランスが大切です。

過発酵でビヨーンと伸びきったパン生地は、いくらその後の作業で【力】をかけてもダメ。

一旦、過発酵になってしまったら、もう後戻りはできないと思ってください。
過発酵は、どんなパン生地でもNGです。

過発酵でしぼんだパン生地

こねないパンをふわふわにするコツ

こねないパンがふくらまない原因がわかれば、
よーく膨らむ生地にするためのポイントが見えてきますね。

①繰り返しパンチを行う
②長時間発酵させる(家庭では冷蔵庫で一晩発酵)
③一次発酵でしっかりと膨らませる(過発酵・発酵不足はNG)

+α⇒少量の油脂を入れると伸びが良くなり、ふんわり仕上がります。

ふゆき
ふゆき

発酵の管理が、成功するか失敗するかの分かれ道です。
一次発酵も二次発酵も大切ですよ。

パン生地の状態をよーく見て作業をすると、成功に近づいていくはずです。

【こねないパンのレシピ】冷蔵発酵ヨーグルトフォカッチャ

写真からも、ふわふわ感が伝わるでしょうか。

このフォカッチャは、私がインスタライブでご紹介したレシピです。

予想以上の反響があって、多くの方に作っていただきました。

◎何回も作りたい
◎ふわふわ
◎地味深い味
◎こんなプルプルのパン生地ははじめて!

など、嬉しいご感想もいただきました。

【配合】15cm丸形1個分
・準強力粉(タイプER) 150g
・インスタントドライイースト(サフ赤) 0.5g
・塩 3.0g
・きび砂糖 3g
・ヨーグルト 15g
・水 98g
・オリーブオイル 3g

くわしい工程はYouTube動画(約9分)でくわしく解説しています。

ふゆき
ふゆき

【こねないパンをふわふわにするコツ】がすべて詰まっているレシピです。

①パン生地に弾力をつけるため⇒パンチを2回+成形で強めに力を加える

②長時間発酵⇒冷蔵庫で一晩冷蔵発酵

③一次発酵でしっかり膨らませる⇒発酵倍率2.3~2.5倍

④少量の油脂でよく伸びる生地にする⇒オリーブオイルを少量配合

何回も作りたくなる手軽さと、ふわふわの柔らかい食感をもった神レシピ←自画自賛

本当におすすめなので、ぜひ作ってみてくださいね!

まだまだある!ふわふわ食感のこねないパン

私の教室では、ふわふわ食感のやわらかいパンを作るパン作りをお伝えしています。

ほとんどは『捏ねるパン』ですが、捏ねないパンも生徒さんに好評です。

対面レッスンの基礎コースでは、カンパーニュとおつまみ系のリュスティック。

新食感!ふわもちカンパーニュ
ドライトマトとバジルのリュスティック

オンラインレッスンの準強力粉コースでは、型なしでできるリュスティックを2種類。

ふわもちリュスティック
レモンとホワイトチョコのリュスティック

どれもハード系にみえますが、皮はパリッと中は超ふわふわです。

そして、この4つのパン。
すべて同じパン生地で同じ配合です。

面白いですよね。
ひとつのパン生地を深く知ると、もっともっとたくさんのバリエーションができます。

私はパン生地の配合をとても大切にしています。
ひとつのパン生地にひとつのレシピは、勿体ないですよね。

お気に入りのパン生地があれば、ぜひアレンジ力も磨きましょう。

もっともっと、パン作りの世界が広がると思いますよ!

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こねないパンについては、あわせてこちらのブログも参考にしてくださいね。
こねないパンで作る究極カンパーニュ!冷蔵発酵&低温熟成でうまみを引き出す 
【パン作りのなぜ?】捏ねないパンが膨らむ原理とは?グルテンが出来る仕組みを考える!

西東京市パン教室アトリエエピス 井手芙雪(いでふゆき)