【初心者さん必見】夏場のパン作りは過発酵に要注意!

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気温の高い『夏』。

パン作りをはじめてから最初の夏。

こんな事はありませんでしたか?

◎パンの味が薄い、、味がない気がする
◎いつもと同じ時間焼いているのに、焼き色がつかない
◎なんだかパサパサしてる
◎かたい、、、(;_;)

こんなパンが焼きあがったら、、

過発酵の可能性大です!!

『過発酵』という言葉。
パン作りを始めると頻繁に聞く言葉です。

*夏場になぜ過発酵になりやすいの?

*どうすれば夏場の過発酵を防ぐことが出来るの?

以上の2点に焦点をあてて、詳しく解説していきたいと思います。

夏場のパン作りが過発酵になりやすいのはなぜ?

夏=暑い!!

これは当たり前の事ですね。

エアコンを効かせた部屋であっても、
室内の温度は27~28℃くらいという場合も多いと思います。

他の季節と比べると、

◎パン作りの材料の温度が高い
◎水道から出てくる水の温度も高い
◎捏ね台の温度が高い

手ごねの場合は自分自身の手の温度も温かくなるでしょうし、
機械捏ねの場合もミキサーの温度は高くなるはずです。

となると、

『捏ね上げた後のパン生地の温度』はどうなるでしょうか?

もちろん、『捏ね上げ温度』は高くなります!

パンの捏ね上げ温度とは何か?

捏ね上げ温度というのは、読んで字のごとく
『パンを捏ねた後のパン生地の温度』の事です。

下の写真のように、捏ね終わったパン生地に温度計を差し込んではかります。

ここでのポイントは、なぜ『捏ね上げ温度』が大切なのか?

というところです。

パン生地の中ではイースト(パン酵母)が発酵しています。

そして、イーストは40℃前後でよく発酵します。

パン作りをする時、
一次発酵ではその40℃よりも少し低めの25~35℃で発酵させる事が多いです。


そして、パン生地の捏ね上げ温度はそれよりも低い20~30℃の範囲におさめる事が多いようです。(発酵の温度については参考にした本の中でも範囲に幅がありました。)

さて、捏ねた後のパン生地の温度=捏ね上げ温度を考えてみましょう!

◎捏ね上げ温度が低い⇒発酵時間は長い

◎捏ね上げ温度が高い⇒発酵時間は短い

このような関係があります。

パン生地の温度が低い場合、
35℃の発酵器に入れたとしても、イーストが発酵する温度まで
パン生地の温度が上がるには時間がかかります。

一方で、パン生地の温度が高い場合、
捏ね上げたパン生地の中でイーストは盛んに発酵活動を行います。
そのため、発酵時間は短くなるのです。

【検証】夏場に捏ね上げ温度が高くなると、一次発酵のパン生地はどう変わる?

【配合】
強力粉 150g
インスタントドライイースト 1.2g
塩 3g
砂糖 3g
バター 3g
水 102g

6月、猛暑の日の早朝。
室温27度、湿度70%です。

機械で12分捏ねました。

材料は水とイースト以外は室温に置いたものを使用しています。

捏ね上げ温度が違う2つのパン生地を作りました。

捏ね上げ温度29.6℃
捏ね上げ温度25.6℃

捏ね上げ温度が29.6℃のパン生地と、25.6℃のパン生地を
同じ発酵器(35℃)で発酵させました。

【発酵50分後】

捏ね上げ温度29.6℃
捏ね上げ温度25.6℃

パン生地が膨らんだ大きさは大分違いますね。
フィンガーテストをしてみましょう。

まずは、捏ね上げ温度が29.6℃のパン生地です。

捏ね上げ温度29.6℃

パン生地に指を指して抜いてみると、
穴の形はそのままの形で残り、とても柔らかい生地です。


しぼむほどではありませんが、パン生地はわふわと腰が抜けています。
表面も荒れていて、細かいシワができていますね。

適正な発酵時間を超えている状態です。発酵が過多となり、焼き上がりにも影響が出ることが予想されます。

次に捏ね上げ温度が25.6℃のパン生地を見てみましょう。

捏ね上げ温度25.6℃

指を差し込んで抜くと、少し穴が押し戻されてきます。
パン生地は膨らんでいますが張りもあって、表面はツルツルと光沢がありますね。
適正に発酵した状態です。

以上のように、捏ね上げ温度が『4℃』違うだけで、
パン生地の発酵状態はこれほどに差がでてきます。

一次発酵についてはこちらのブログにも詳しく記載しています。良かったら参考にしてみてくださいね(^^)
【パン作りの失敗】一次発酵でパン生地が膨らまない!原因と対策は?

【解決策】夏場の過発酵を防ぐには、仕込み水の温度を調整する!

パン作りでは『捏ね上げ温度』が大切というポイントをお話してきました。

では、捏ね上げ温度はどのように調整すればよいのか?
という点について解説したいと思います。

仕込み水の温度

仕込み水とは、パンの材料の水の事です。


パンの捏ね上げ温度に大きく影響するのは、
材料の中で『水分』となるものの温度です。

パン生地によっては、水ではなく牛乳や豆乳などを使う事もありますよね。

その場合は『水と牛乳などを合わせた時の温度』と考えて良いです。

前章の検証では、捏ね上げ温度に差をだすために仕込み水の温度を調整していました。

◎仕込み水40℃ ⇒ 捏ね上げ温度29.6℃

◎仕込み水4℃ ⇒ 捏ね上げ温度25.6℃

今回のパン生地では捏ね上げ温度26度を目標としていました。
なので、この日の仕込み水の温度は『4℃』の方が適正と考えています。

4℃というのは冷蔵庫で冷やしていた水です。

夏場に捏ね上げ温度が高いな、、そんな時は

仕込み水は冷水を使う!!時には氷水もね。

仕込み水の温度を低くしても捏ね上げ温度が高くなってしまう時は、
他の材料の温度を見直しましょう。

小麦粉や卵を冷蔵庫にいれておくと、捏ね上げ温度の上がり過ぎを防ぐことができます。

ところで、もうひとつの仕込み水を40℃にした場合。
これって主にどの季節に使いますか?

冬場などの気温の低い季節ですね。


その日の温度を考えながら、仕込み水の温度を変える。
これはパン作りをする時には、とーっても大切な事なのです。


【番外編】捏ね上げ温度が高くても、発酵を早めに終わらせれば良い?過発酵にならなければ本当に良いのか?

何回も『捏ね上げ温度』と言ってきましたが、、、

こんな疑問が思い浮かびませんか?

捏ね上げ温度が高くても、過発酵になる前に発酵時間を短くすれば良い!

本当にそう思いますか、、、、(・_・;)(笑)

答えはNoです。

適正な発酵時間を取ったパンとは、同じ味わいにはなりません。

知りたいのは『なぜか?』というところですよね。

捏ね上げた生地を触ってみると分かるのですが、
パン生地の状態はぷりぷりと張りがあって、柔らかさと伸びがあまりありません。

この状態で、イーストが一気に炭酸ガスを出してしまうと、、、

パン生地が無理に引き伸ばされて傷んでしまうのです。

また、発酵中には『THEパンの良い香り』のもととなる物質が生地の中にたまっていきます。

発酵の時間を十分に取ることで、パンの旨みが増すという事ですね。

更に、発酵時間を長くとることでパン生地の『水和』が進んで、

パンがしっとりと、かたくなりにくくなります。

*水和についてはこちらのブログに詳しく記載しています。
【パン作りの豆知識】水和とは?パン生地のしっとり感が長持ちする!

以上のように、発酵時間を適正にとる事は、美味しいパンを作るためにはとても大切です。
捏ね上げ温度が高いから発酵を早く終わらせれば良いというのは、
単純にはおすすめできない事なのです。

◎まとめ◎仕込み水の温度に気をつけて!夏場のパン作りは過発酵になりやすい

夏場のパン作りの注意点についてポイントをまとめると以下のようになります。

◎過発酵になりやすい
◎仕込み水の温度を低くする(冷水/氷水)
◎小麦粉などの材料の温度を調整する(冷やす)
◎捏ね上げ温度を高くしすぎない

これらは全て、気温が高いことが原因となっています。

これだけ失敗しやすいポイントを上げてしまうと、
なんだか夏にパン作りをするのが怖くなってしまうかもしれませんね。

でも、原因と対策がわかっていれば、
失敗しても2回目には必ず良い方向に進むことができます。

諦めないで、とりあえず作ってみてください( ´ ▽ ` )ノ

パン生地はその日その時で、顔色が変わります。
でもよーく観察して、性格がわかってしまえばこっちのもの(笑)

必ず美味しいパンに焼きあがってくれますよ(o^^o)

長くなってしまいましたので、
一次発酵で過発酵になった場合にどんなパンが焼きあがるかは、
次のブログ記事に記載したいと思います。
【検証】一次発酵で過発酵になったパンを焼いてみると、、、/過発酵について詳しく解説!

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参考文献
パン「こつ」の科学
パンづくりの失敗と疑問をスッキリ解決する本
パンづくりのメカニズムとアルゴリズム
パンづくりに困ったら読む本
科学でわかる パンの「なぜ?」