【検証】二次発酵(最終発酵)が不足/過発酵になったパンを焼くと、、、

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パン作りの最終段階。

成形し、二次発酵(最終発酵)でぷっくり膨らんだパン生地を見ると、ワクワクしてきます。

それで、二次発酵ってどれくらい生地が膨らめば良いの(?_?)

これが、今回のブログ記事のテーマです。

*パン生地が歪んで皮(クラフト)が裂けてしまった。
*膨らまない
*焼き色がつかない
*ぱさぱさしている、スッカスカ~(;_;)
*パンの味がうすい
*アルコール臭がする、、酸っぱい感じ?
*翌日に硬くなるのが早い

このようなパンが焼きあがったら、、発酵不足や過発酵の可能性があります!!

食パンなどの型に入れて焼くパンは、『型と同じ位の高さ』などの目安が
比較的わかりやすいものです。

丸パンやバターロールは?

二次発酵の見極めがいかに大切か。


発酵が不足した場合と過発酵になった場合の検証結果をもとに
わかりやすく解説していきたいと思います。

【検証①】二次発酵が『不足・適正・過発酵』した場合のパン生地の様子は?

【配合】
強力粉 150g
イースト 1.2g
塩 3g
砂糖 3g
バター 3g
水 102g

一次発酵後、4つに分割(1個63g)

二次発酵の時間を変えて、1個ずつ焼成しました。
①発酵10分 
②発酵50分
③発酵75分
④発酵110分

発酵前のパン生地の様子です。

二次発酵前のパン生地

発酵器35℃で発酵させます。
①10分後 ②50分後 ③75分後 ④110分後
それぞれのパン生地の大きさを見てみましょう。

①10分後
②50分後
③75分後
④110分後

まずは、
①10分後

①10分後

10分というと、ベンチタイムと同じかそれより短い時間ですよね。
パン生地の大きさはほとんど変わっていません。

パン生地はぷりぷりと張りがあります。

②50分後

②50分後

ここが二次発酵が適正な状態です。

約2倍に大きくなっています。
パン生地は柔らかくなっていますが、まだ張りもある状態。

二次発酵では、パン生地が膨らむピークの少し前の状態=パン生地が少し張りを残した状態で終了します。

なぜ??

皆さんの経験のある通りに、パンをオーブンへ入れるとさらに大きく膨らみますよね。
最終発酵では、オーブンへ入れるた時に膨らむための余裕を持たせて終了する事が必要なのです。

③75分後(少し過発酵)

③75分後

パン生地は2.5倍位に膨らんで、横にだれてきています。
柔らかく、生地の張りはなくなりつつあります。

軽い過発酵というイメージです。

大失敗にはならないでしょうが、適正な状態は超えています。
パン生地の配合によっては、パンの味や食感に大きく影響するラインだと思います。

④110分後(過発酵)

④110分後

パン生地は3倍位に膨らんでいます。
とても柔らかくて、触れるとしぼんでしまいそうな弱々しいパン生地です。

パン生地の表面も荒れてきているのがわかります。

ここまで発酵させてしまうと、過発酵の影響が焼き上がりにもダイレクトにでてきます。

【検証②】二次発酵が『不足・適正』のパン生地を焼いた時の見た目・味は?

同じパン生地を二次発酵の時間を4つに分けて、それぞれ190℃15分のオーブンでやきました。①10分後 ②50分後 ③75分後 ④110分後

焼成後

①10分後

パンの皮(クラフト)が裂けてしまいました。

そして、

膨らまない!!

断面をみても目が詰まっていますね。

なぜか???
成形後のパン生地はプリっと緊張して伸びが悪い状態です。

そのパン生地を最終発酵させることで、
生地の柔軟性が増して、ゴム風船のようによーく伸びて膨らむパン生地になります。

しかし、発酵が不足していると、生地の伸びが悪くて膨らみません。

更に、伸びの悪いパン生地は歪んで不格好になりやすく、
無理に引き伸ばされたクラフトに亀裂が入りやすくなります。

断面 左から①10分後 ②50分後

味や食感は?

食べてみると、むっちりとしてベーグルの中身のような食感です。
そして、、密度が高いのにも関わらず、パンの味が薄いように感じます。

発酵中は、以下のようなパンの風味をよくする物質がパン生地中に蓄えられます。

◎イーストが発生する『アルコール』
◎空気中や材料から混入した酢酸菌、乳酸菌などが発生する『有機酸(酢酸、乳酸など)』

発酵が短くなると、これらのパンの風味や味わいのもとになる物質が少なくなるため、
パンの味わいが薄く感じられるのだと考えられます。

②50分後(適正な発酵)

適正に発酵したパン生地は、美味しそうな焼き色がついています。
形も丸く綺麗に焼きあがっていますね。

断面を見ても、きめ細かい気泡が生地全体に広がっている様子が分かります。

食べてみても、最も香ばしい風味で味わいも濃く感じられます。
ふんわりして美味しい。

これは言うことなしです( ´ ▽ ` )ノ

【検証③】二次発酵が過発酵になってしまうと、、、

もう一度、焼成後のパン生地の大きさを比較してみます。

焼成後 左から①10分後 ②50分後 ③75分後 ④110分後

二次発酵で過発酵になっていたのは③75分後と④110分後のパン生地です。

◎大きく膨らんでボリュームがある
◎焼き色が薄い

見た目はこのような特徴がありますね。

過発酵になってしまった2つのパンの断面を見てみましょう。

断面 左から③75分後 ④110分後

◎ひとつひとつの気泡が大きい
◎キメが粗い

味・食感は?

◎焼き色が薄いため、香ばしさが弱い
◎パサパサしている
◎内相の空気感が強く、スッカスカの食感
◎甘味がなく、味がない(薄い)

これらは、全て過発酵のパンの特徴を考えることができます。

なお、③75分のパン生地よりも②110分のパン生地の方が、
これらの特徴がより明確に感じられます。

このパサパサ感をごまかすために、私はパンをスープにひたパンして食べました(^_^;)

過発酵のパンの詳しい内容はこちらをブログに記載しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
【検証】一次発酵で過発酵になったパンを焼いてみると、、、/過発酵について詳しく解説!

ここでは、簡単に過発酵のパンの特徴の原因を説明したいと思います。

まず、パンの焼き色がつかないのは、
パン生地の中の糖分がイーストの発酵活動によって消費され尽くしてしまうからです。


その結果、パンの甘味も薄くなってしまいます。

ここで追加の検証結果を記載しますね。

翌日のパン。

過発酵になってしまったパンは、ものすごいパサパサなのです。

◎パンが硬く、パサつくのが早くなる

これも過発酵のパンの特徴です。
パン生地中の糖分は、水分を保持してパンが硬くなるのを防止する役割があります。

過発酵のパンでは、この糖分が消費されてしまうことが原因のひとつになります。

また、過発酵の場合、

炭酸ガスが過剰に発生してパンのボリュームは大きくなります。
でも、中は大きい気泡でスカスカの食感。


大きく膨らめば良いというわけではない事が、よくわかりますね(^_^;)

パンの砂糖の役割についてはこちらのブログに詳しく記載しています(*^_^*)
【パンの材料Q&A】砂糖入りのパンがふわふわ柔らかい理由は?/パン作りの砂糖の役割を詳しく解説します

【検証④】二次発酵で『ひどい過発酵』になったら、、、

今まで紹介してきた検証では、二次発酵の時間を110分までとしていました。

しかし、色々な本を読んでいると『発酵がひどく過剰になるとパンがしぼむ』
という記載があります。

という事で、別の日に追加の検証をしました。

パン生地の配合は変えてしまいましたが、分割量は62gです。
35度の発酵器で約2時間30分も発酵させました。

二次発酵 2時間半

これは焼成前のパン生地です。
パン生地の上部で、溜まったガスが膨らんでいますね。

生地表面も荒れており、少しアルコール臭もします。

焼いたパン生地を見た時は、『あれ?ボリュームがでて膨らんでる?』
と思ったのですが、、カットして断面を見てみるとこの通りです。

上部に大きい気泡があり、内部のパン生地は膨らんでいませんね。

食べてみると、、

◎パッサパサ
◎アルコール臭
◎酸っぱい味がする

これらも全て過発酵の特徴です。

イーストが発酵活動で発生するアルコールが過剰になります。
『アルコール臭』
言い換えると酒臭いような臭いがしてきます。

また、空気中や材料の中から混入した酢酸菌や乳酸菌などによって、
酢酸(お酢の主成分)や乳酸などが蓄積し、酸っぱい味や臭いのもとになります。

ここまでひどい過発酵になると、お世辞にも美味しいとは言えなくなります(;_;)

二次発酵の見極めの方法

前述のように、二次発酵ではパン生地が焼成中に膨らむための余地を残した状態で終了します。

そのためパン生地は、下記のようなバランスの状態がベストです!

◎柔らかいが、、
◎軽く張りがあって弾力がある

確かめる方法としては、

人差し指で、優しくパン生地を押してみます。

発酵が適正
過発酵

左側の写真は発酵が適正な状態のパン生地です。

指で跡をつけると、少し押し戻してくる張りがあります。

一方で、右側の写真は軽く過発酵になっています。

指で押してみると、指の跡がそのままの形で残ります。

柔らかくなりすぎて、生地の張りがありません。

◎まとめ◎二次発酵の見極めは実はとても難しい

二次発酵が不足した場合、過発酵になった場合について
検証結果をもとに解説しました。

私もパン作りを始めてから色々な失敗をしていますが、

二次発酵の見極めは、今でもかなり気を使っています。


二次発酵にズレが生じると、ダイレクトに焼き上がりに影響しますし、
行き過ぎてしまうと、もうそのまま焼くしかなく修正が全くできません(^_^;)

見極めのポイントは、このふたつです。

◎見た目の大きさ
◎生地の柔らかさと張りを指でチェック

発酵時間はあくまで目安です。
これは一次発酵でも、二次発酵でも同じことが言えます。

パンはその日その時で、違う顔をします。
よーく観察して、そのパン生地の一番良い状態を見つけてあげてください(^^)

成功への近道は、コツはきちんと学んで掴む事。あとは実践あるのみです!!!

皆さんのパン作りの参考になれば嬉しいです♪

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参考文献
パン「こつ」の科学
パンづくりの失敗と疑問をスッキリ解決する本
パンづくりのメカニズムとアルゴリズム
パンづくりに困ったら読む本
科学でわかる パンの「なぜ?」