レシピに書いている材料が家にない!という事はしばしばありますね。
買っても他に使い道ある??
この悩みに関しては、日々のお料理の時にも常に考えて買い物をします。
あれもこれも買ってしまうと、お金もかかるし置く場所もない、、
でも、他のものに代用しても良いのかがわからない!
パン作りではこんな疑問もありますね。
レシピに書いてあるショートニングが家にない!
代用するとしたら、、何となくバターではないような気がする。
オリーブオイルはどうかな?
油脂と言っても、色々な種類のものがあります。
このブログでは、
◎ショートニングの代用にオリーブオイルを使うことが出来るのか?
この疑問にお答えし、皆さんのパン作りのお悩みを解決できるようお話していきたいと思います。
バターとショートニングの使い分けについては、こちらのブログで紹介しています(^^)
ぜひ参考にしてみてくださいね♪
【パンの材料Q&A】ショートニングの代用にバターを使っても良いのか?/バターに変換する時の水分量ついて解説します
ショートニングとは何か?
ショートニングという言葉は知っていても、実際に見たことがないという方も多いのではないでしょうか。
まずは、見た目です。
ショートニングは常温に置いても、固体のままで白色をしています。
味や香りはどうでしょうか。
これは無味無臭です。あぶら!という感じです。
原料は植物性油脂(動物性油脂が使われることもある)で、
成分のほぼ100%が油脂分になっています。
『香りのない固まっている油かぁ~。』
そう思うのは、まだ早いですよ!
ショートニングには、パンやお菓子作りで重要になる性質があるのです。
ショートニングを配合したパンはふんわり膨らむ
ショートニングはただの油ではない!とお話しましたが、
一体それは何なのか?
この疑問について解説していきたいと思います。
ショートニングを使って作るクッキーを食べた事があるでしょうか?
あのさくさく感。バターで作ったものとは違う食感です。
とっても軽いクッキーになりますね。
パンにショートニングを入れても、とても歯切れの良い軽い食感になるのです。
これはショートニングならではの特徴です。
油脂といっても色々なものがあります。
バター、マーガリン、サラダ油、ごま油、オリーブオイル。
最近は米油を使う方も多いですよね。
これらの油脂は2つのグループに分類することができます。
◎固形油脂・・・バター、マーガリン、ショートニングなど
◎液状油脂・・・サラダ油、オリーブオイルなど
常温で固体のものが固形油脂、液体のものが液状油脂です。
見た目でわかるので簡単ですね!
さて、何となくわかってきた方もいますかね。
パン作りで使われる油脂で、圧倒的に多いのはバター、ショートニングなどの固形油脂です。
なぜかというと、
これらの固形油脂を配合したパンはふんわりと大きく膨らむからなのです。
ふんわりボリュームのあるパンは、焼き上がったパンも柔らかくてふわふわです。
ショートニング、バターなど固形油脂の特徴については、こちらのブログで詳しく紹介していますので、参考にしてくださいね(^^)
【パン作りの材料Q&A】ショートニングの役割とは?/ショートニングを配合する理由についてわかりやすく解説します
今回はショートニングに注目してお話していきます。
ショートニングをパン生地に練りこむと、パン生地中に油滴となって均一に広がります(図1)。
油脂が練りこまれた生地は、パン生地自体がよく伸びるようになるため、
オーブンの中でもよく膨らみます。
その結果、ボリュームのあるふんわりしたパンが焼きあがるのです。
ショートニングはパン生地中に油滴として存在しているため、
オーブンで熱せられると、その部分だけ油が染み込んだまま焼かれることになります。
すると、ところどころ脆い部分ができるために、歯切れの良い軽い食感になるのです。
液状油脂のサラダ油やオリーブオイルを配合したパンの特徴
すでにお話していますが、油脂は2つのグループに分類できます。
バターやショートニングなど固形油脂と、
サラダ油やオリーブオイルなどの液状油脂の2グループです。
パン作りにおいては、固形油脂を用いることが多いですが、
場合によっては液状油脂のサラダ油やオリーブオイルを用いることがあります。
実際に、同じレシピのパン生地に、サラダ油かバターを配合したパンを比較/検証したときの写真を上部に載せています。
ブログ記事はこちらです。
【パン作りの豆知識】バターの代用にサラダ油を使って良いのか?
サラダ油を配合したパンは、バターを配合したパンよりも膨らみが悪くなります。
食べた時の食感はもちもちとして、バターを配合したパンとは全く別物になります。
なぜサラダ油を配合したパンの膨らみが悪くなるのでしょうか?
それは、液状油脂の性質を考える事で答えがみえてきます。
サラダ油などの液状油脂を配合すると、パン生地全体に油脂が入るため、
パン生地自体の伸びは良くなります。
しかし、液体になっている油は形を保つことができないのです。
わかりにくいと思うので、バターをイメージしてみましょう。
室温で適度に柔らかくなったバターは、粘土のように自由に形を変える事ができますよね。
そのため、バターをパン生地に配合すると
パン生地が伸びるのと同時にバターも伸ばされて、そのままの形を保ちます。
結果としてパンの膨らんだ状態を維持する事ができるのです。
一方で、液体のサラダ油などの油脂は形を保つことができません。
そのため、膨らんだパン生地の形を保つことができません。
実際に私が検証した時も、サラダ油を配合したパン生地はだれて、横に広がるようになっていました。
ただ、サラダ油などの液状油脂を配合したパンの独特の食感も美味しいのです。
もちもちとして、バターを配合したパンとは別の美味しさがあります。
ショートニング・オリーブオイル・サラダ油を配合したパンの味・風味
今までは、パンの膨らみの違いや食感の差をお話してきました。
では、それぞれのパンの味や風味はどうでしょうか?
その油脂自体の風味や味が関係しているので、整理してみましょう!
◎ショートニング・・・無味無臭
◎サラダ油・・・無味無臭
◎オリーブオイル・・・オリーブの爽やかな風味
フォカッチャやピザには、オリーブオイルを配合しているレシピが多いです。
イタリアンの風味やハーブの香りととても相性が良いのが、オリーブオイルの特徴です。
パンに合わせる具材によっては、オリーブオイルの風味はとても華やかに活きてくるのです。
無味無臭のショートニングやサラダ油を配合したパンは、油脂自体の味や香りがないため、
他の素材の味をダイレクトに感じることができます。
小麦粉の風味を楽しみたいという場合には、これらの無味無臭の油脂の特徴を活かす事ができますね!
◎まとめ◎ショートニングをサラダ油やオリーブオイルに代用できるのか?
ショートニング・サラダ油・オリーブオイルのそれぞれを配合したパンの特徴をまとめてみましょう。
【食感】
◎固形油脂のショートニングはふんわりと膨らみ、歯切れの良い軽い食感
◎液状油脂のサラダ油とオリーブオイルは、膨らみが悪くもちもちとした食感
【味・風味】
◎ショートニング・サラダ油は無味無臭で、他の素材の味が活きたパンになる
◎オリーブオイルは、オリーブの爽やかな風味がハーブなどと相性が良い
以上の事を踏まえて、私の考えをご紹介したいと思います。
まず、固形油脂のショートニングを液状油脂のサラダ油やオリーブオイルに代用した場合。
同じ食感や膨らみを求めることはできません。
そのため、自分が期待しているパンとは全く別のものになります。
また、パンを作る時の作業性も考える必要がありますね。
液状油脂を配合した場合、その量にもよりますが、パン生地はダレ気味になります。
とても扱いづらく、作業性が悪くなる事を覚悟しなければなりません。
以上の事を考えても、ショートニングをサラダ油やオリーブオイルに代用する事はできないというのが、私の結論です。
特にオリーブオイルは、独特の香りがあります。
この風味を活かせるパンであるかどうかを良く考える必要があるのです。
お料理でも、ごま油やオリーブオイルを使い分けていますよね。
パン作りでも、その油脂が持つ風味を活かしてパンを作るという事が大切なのだと思っています。
パン作りでも油脂の使い分けは難しいものですが、とても面白い所でもあります。
油脂を代えて、パンの食感や味の違いを楽しむ、、なんだかワクワクしてきますね(^^)
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参考資料
科学でわかるパンの「なぜ?」
パンづくりのメカニズムとアルゴリズム
NEW 調理と理論 第二版