パン作りでは材料の計量は大切です!
それは、わかってる。でも間違えてしまうのが人間ですよね。
パンのレシピの中には、卵を使うものは多くあります。
家庭で作る量のパンの場合は、卵1個を使いきりという事は少ないですよね。
そして、気が付くポイントは捏ねている最中だと思います。
『あー、、ベチャベチャでまとまらない。』
入れすぎた量にもよりますが、状況的には『助けてー』という感じだと想像できます。
このブログでは、下記の内容について疑問に答えられるように解説していきますよ!
◎卵の配合が多いパンの特徴は?
◎レシピの量よりも卵が多くなると、パン生地はどう変化するのか
◎卵を入れすぎた場合の対処法
【卵の効果】パン作りでの卵黄と卵白の働き
まず、パン作りにおける卵の働きを整理しておきましょう。
詳しくはこちらのブログに記載しています。
【パンの材料Q&A】パン作りに卵白だけを使うことはあるの?/卵白の効果について
【パンの材料Q&A】パン作りで卵黄を入れる効果とは?乳化剤としてのレシチンの働き
【検証!】卵を入れたパンはどう焼きあがる?/味・食感・膨らみに影響する卵の効果
今回は、要点だけをわかりやすくお話しますね。
パン作りにおける卵の働きを考える場合、卵黄と卵白を別々に考える方がわかりやすいです。
まずは卵黄の働きをお話します。
◎卵の味と風味をつける
◎しっとり、きめ細かくなる
◎よく膨らみ、ふんわりする
◎時間が経っても、パンが硬くなりにくくなる
上記に書いたように、卵黄を入れると良いことばかりですね。
これは、卵黄に含まれるレシチンなどの乳化剤の働きがとても大きく関係しています。
乳化というのは、本来混ざり合わない油と水が均一に分散している状態を言います。
身近な例だと、マヨネーズが有名ですね。
マヨネーズの材料は、主にサラダ油・酢・卵黄です。
ここでも、卵黄が乳化剤の役割をしているのです。
さて、パン生地の中でも卵黄の乳化剤の働きで、材料の水分と油分が乳化して均一に分散していきます。
その効果で、パン生地の伸びが良くなったり、日持ちが良くなるなどのメリットがもたらされるのです。
次に卵白を働きを考えていきましょう。
卵白は加熱すると、プリプリのゼリー状に固まります。
パン生地の中でも、卵白はオーブンで加熱されて固まります。
すると、パン生地の骨格を補強してパンがしぼみにくくなります。
また、さくっという歯切れの良い食感のパン生地になるのです。
卵の配合量が多いパンの特徴は?
卵には卵黄と卵白の両方が含まれます。
卵の中で、卵黄の割合は約31%、卵白の割合は約58%です。
残りの約11%は殻の割合になります。
全卵の中では、卵黄よりも卵白の量の方が多いのです。
という事は、全卵の量が増えると卵白の量は相対的に多くなっていくことになります。
卵黄は少量でもパン作りにおける効果が大きいですが、
ここではわかりやすくするために、卵白の働きに注目して考えていきたいと思います。
卵白の効果は先ほどもお話したように、
パン生地の骨格を補強し、歯切れの良い食感をもたらすことです。
ただし、卵白の量が増えると、パンが硬くなりパサっとした食感になってしまうので注意が必要です。
卵白を加熱した時のイメージとして、ゆで卵の白身を思い出してみましょう。
プリプリに固まっている様子がわかりますよね。
その状態のものがパン生地に配合されているのです。
パン生地が硬くなってしまうというのも納得出来ると思います。
繰り返しますが、全卵の配合量が増えると卵白の量が増えます。
結果として、全卵が増えるとパンが硬くなってしまうのです。
卵を入れすぎたパンはどう焼きあがるのか?
レシピの材料をはかり間違えてしまった場合を考えてみましょう。
今回は卵に注目していますので、
パンの材料のうち、卵の量を多くはかってしまったという場合を想定してみます。
まず、全卵の75%は水分です。
単純に30gの卵の中には、30g×0.75=23gの水分が含まれる事になります。
家庭用のレシピで、23gの水分が増えたら、ベチャベチャでまとまらない生地になるはずです。
間違えてしまった量にもよりますが、卵は約75%が水分ですので、
パン生地全体の水分の量が増えてしまい、作業性が悪くなってしまいます。
また、小麦粉が吸いきれないほどの水分をいれてしまうのも、
決して良い状態のパン生地にはなりません。
作業性の面でも、味や食感に与える影響を考えても、水分には適正量があるのです。
また、前章でもお話した通りに、全卵の量が増えると卵白の配合量が増えます。
そのため卵の量が多くなると、パン生地が硬くなってしまうのです。
パンに卵を入れすぎた時の対処法
パンに卵を入れすぎた場合、その量にもよりますので
色々なケース別に考えてみましょう。
まず、捏ねている最中からベチャベチャで捏ねることができない場合を検討してみます。
捏ねられないので、潔く手で捏ねるのは止めます。
もし、ホームベーカリーなどの機械で捏ねられるものがあれば、機械にお任せしてください。
捏ね機がない場合は、生地をボールに入れます。
そして、パン生地を底から返すようにヘラで捏ねましょう。
捏ねたら30分ほどラップをして室温に放置します。
そしてまた、ヘラで返すを2~3回繰り返します。
次第にパン生地がビヨーンと伸びて、繋がってくると思います。
この生地を発酵させて、型に入れて焼いてください。
この場合は、成形するのは無理です。
型を使用して焼くことをおすすめします。
次に、捏ねられるけど、生地がやわらかすぎてだれるという場合です。
この場合は頑張って捏ねます。ボソボソの生地がつながってくるまでは頑張って捏ねましょう。
機械があれば捏ね機にお任せします。
捏ね以外の作業は打ち粉を多めに使って、パン生地をできるだけ傷めないように優しく行います。
そして、このパン生地も型に入れて焼くと良いと思います。
横にだれて膨らみにくくなると思いますので、型に入れて支えてあげるのがコツです。
また、全卵を入れすぎると卵白が多くなるので、パン生地が硬くなる可能性が高くなります。
できるだけ当日中の柔らかいうちに食べるか、すぐに冷凍してしまうと、
ぱさつきにくくなると思いますよ。
これらの対処法は、私だったらどうするかという考えを紹介させていただきました。
他にも良いアイデアはあると思います。
もし困っている方がいれば、試してみてくださいね。
◎まとめ◎パンに配合する卵の量には適正量がある
パン作りでの卵の効果を考えた上で、卵を入れすぎた場合の対処法についてお話してきました。
卵はパン作りにとても良い効果をもたらしましが、
多ければ良いというものでもありません。
卵の量によって、パン生地の食感や味は全く違うものになってしまうのです。
家庭用のレシピでは20g~30g位の量なのに、卵の影響はとても大きいですね。
皆さんのパン作りの手助けになれば嬉しいです(^^)
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参考資料
科学でわかるパンの「なぜ?」
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