【パンの材料Q&A】パン作りに使う全卵と卵黄の違い・使い分けは?/両方を配合したレシピがある理由も解説します

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全卵ではなく、卵黄のみを使うパンのレシピを作ったことがあるでしょうか?

たった今、「卵黄 パン レシピ」とインターネットで検索してみたところ、
大手レシピサイトでは「卵黄 パン」でヒットしたレシピ数は数千以上ありました

これは予想以上に多いですね。

レシピの作者さんは、卵黄の良い所を知っていて、あえて全卵なく卵黄を使っているはずです。卵黄の効果でそのパンを美味しくしたいからこそ使っているのだと思います。

ちなみに、「全卵 パン レシピ」又は「卵 パン レシピ」という検索用語をセレクトしてしまうと、
卵サンドやフレンチトーストもヒットしてしまうので、
ものすごく膨大な量のレシピ数になってしまいます(^_^;)

全卵の中には当然卵黄も含まれますよね。
卵白を外して卵黄のみを取り出して使うのには理由があるはずです。

逆にいえば、卵黄ではなく全卵を材料に使うのにも理由があるのです。

このブログでは、下記の内容について納得していただけるように解説していきます(^^)

◎卵黄と全卵をそれぞれ配合したパンの違い
◎パン作りにおける卵黄と全卵の使い分け
◎全卵と卵黄を両方配合しているパンのレシピがあるのはなぜ?

卵黄を配合したパンの特徴

卵黄のみを配合したパンは、とてもリッチな印象です。
「リッチ」という言葉は具体的にどのような味・食感でしょうか。

卵黄はとても味が濃いですし、コクがありますよね。

卵黄の成分を見てみると、卵黄の約35%は脂質なのです。
約1/3は脂肪分ということになりますね。

脂質の量だけ考えても、とても『リッチな味』がしそうです。
バターを配合している菓子パンと、バターを全く含まないバケットを比較すると、バターの味のあるなしだけでなく、食感も全くちがいますよね。

バターを配合したパンの食感はとてもふんわりとして柔らかくなると思います。

油脂自体にもパンをふんわり柔らかい食感にする効果があります。

ただし、卵黄の脂質にはバターや他の油脂にはない、特別な役割があるのです。

卵黄の脂質には、『レシチン』という乳化剤の働きをする物質が含まれます。

聞きなれない言葉かもしれませんが、少しお付き合いください。
卵黄、卵の特徴を語るには、『乳化剤』の役割というのがとても重要なってきます。

卵黄の効果、乳化剤についてはこちらのブログに記載していますので、参考にしてくださいね(^^)
【パンの材料Q&A】パン作りで卵黄を入れる効果とは?乳化剤としてのレシチンの働き

油と水をぐるぐる混ぜても、いつまで経っても分離して均一に混ざることはありません。
ここに、乳化剤をいれます。
乳化剤というのは、油と水の両方と手をつなぐ事ができる物質のことを言います。

乳化剤が油と水の仲立ちとなって、本来混ざらないはずの水と油を均一にする事ができるのです。

例えば、お菓子のパウンドケーキを作る時。
バターとお砂糖を練り合わせた後に、全卵を加えていきます。

卵には卵黄と卵白を含みますが、その75%は水分です。

バターのほとんどは油ですから、油に水を加えても混ざるはずがないですよね。
ここで、卵黄に含まれる天然の乳化剤が活躍します。
卵黄のレシチンが乳化剤として働くため、バターと卵が分離せずに混ざることができるのです。

もっと詳しく言うと、卵黄の中ではレシチンとリポタンパク質が天然の乳化剤として働きます。リポタンパク質が存在すると、レシチンの乳化の効果が強くなると言われているそうです。

では、レシチンなどの乳化剤の働きに注目して、卵黄が配合されたパンの特徴を紐解いて行きましょう。

パンの材料には牛乳や水などの水分となるもの、そしてバターなどの油分となるものがあります。これらの材料は、一見は均一に混ざっていますが、水分と油分は本来まざらないはずですよね。

卵黄はパン生地の中で乳化剤として働きます。
つまり、材料の水分と油分を均一に分散させてきれいに混ぜ合わせることができるのです。

すると、パン生地全体はなめらかによく伸びるようになります。

その結果として卵黄が配合されたパンの特徴は下記のようになります。

◎しっとりときめ細かい生地になる
◎ふんわりよく膨らむ

また、焼いたパンが硬くなるのを防ぐ役割もしているのです。

卵黄を含むパンの食感はよくわかりましたね。
では、味の面を考えていきましょう。

これは言うまでもないですよね。
卵黄=卵の味といっても過言ではないと思います。

全卵よりも卵黄のみの方が、格段に味も濃いです。

そのため焼きあがったパンの味も、卵黄を配合したものは卵の風味を強く感じます。
卵の風味はとても印象深いですから、パンの味もまさしくリッチで優しい風味に感じられます。

そして、焼きあがったパンの色も濃くなります。
これは、卵黄に含まれるカロテノイドという色素の影響です。
ご存知の通りに卵白は熱すると白色です。卵黄のみを配合したパンの色が濃くなるのは納得していただけるのではないかと思います。

全卵を配合したパンの特徴

卵黄について詳しくお話しましたので、それと比較をする形で全卵を配合したパンの特徴についてお話して行きたいと思います。

全卵には卵白と卵黄の両方が含まれます。

ゆで卵や目玉焼きを見ても食べてもイメージ出来ると思います。
卵白と卵黄の性質は全く違う!のです。

卵は卵黄が約31%、卵白が約58%、そして殻の部分が約11%の割合になっています。

卵白は卵黄よりも多く含まれますね。

全卵の働きを考える時に、卵白の効果は欠かせない要素なのです。

全卵と卵白の効果については詳しくはこちらのブログに記載していますので、よかったら参考にしてくださいね(^^)
【パンの材料Q&A】パン作りに卵白だけを使うことはあるの?/卵白の効果について
【検証!】卵を入れたパンはどう焼きあがる?/味・食感・膨らみに影響する卵の効果

卵白を熱するとプリプリで白く固まります。
端で切ってみると、きれいにポキッと割れるイメージですよね。

パンの中では卵白は生地全体に分散して存在しています。
その状態でオーブンで焼かれるので、パン生地も歯切れの良い食感になります。

ここで、忘れてはいけないのが卵黄です。

前章の卵黄の効果を思い出してみましょう。

卵黄をいれると、しっとりきめ細かくなる。そして、パンはよく膨らみボリュームがでます。

全卵を配合したパンは、卵黄と卵白の効果の間をとった感じになります。
ふんわりしていて、歯切れも良い。卵の風味も強すぎず弱すぎずの優しい味です。

パン作りでの全卵と卵黄の使い分け

卵黄が配合されたパンは、しっとり柔らかく卵の風味が強いパンになります。

一方で、全卵が配合されたパンはふんわりと歯切れの良い食感になります。全卵を使用した方が、軽くあっさりとした卵風味になるのが特徴です。

では、卵黄いりか全卵入りか、、どのようにレシピを選んで使いわければ良いのでしょうか?

ここはあくまで私の考え方をご紹介しますね。
レシピの好みや考え方は人それぞれですので、もし共感できるポイントが見つかったら参考にしてみてください(^^)

まず卵黄入りのパンについてです。
やはり、卵黄が配合されたパンの特徴はこっくり濃厚であることです。
そして、卵の甘味も強く感じるので、私は菓子パンなどの甘い具材やフィリングに合わせることが多いです。

卵黄入り生地のしっとり吸い付くような食感がケーキのようで、甘く柔らかいフィリングやチョコレートなどものとよく合います。

また、卵黄入りの生地のパンは時間が経っても硬くなりにくいという特徴があります。
お友達の家にパンをプレゼントしたいなどというときにも、硬くなりにくい卵黄入のりのパンは最適かもしれないですね。

パン作りの材料の意味を理解すると、自分の生活に合わせたパン作りができるようになります。

次に全卵を配合したパンについてです。

こちらは万能です。シンプルに丸パンや食パンなどの食事パンにすると、ほんのり甘い感じで食感も軽めのふんわりパンになります。

また、惣菜パンや菓子パンにも使いやすい生地になります。
パン生地自体の主張が軽くなるので、どんな具材にも合わせやすいと思います。

これは卵黄入りのパンでも、全卵入りのパンでも同じことですが、
その材料をどれくらい配合するか?他の材料はどんなものか?パン作りの工程はどうするのか?でも出来上がりのパンの食感はかなり変わります。

一般的な知識として、卵黄入りのパンはどんな特徴があるのか。
そして、全卵入りのパンの味は食感はどうか、という事を学んでおくと、
レシピを見たときにどんなパンが焼きあがるのかをイメージできるようになります。

そうなると、、パン作りはますます面白くなりますよ(*^_^*)

全卵と卵黄の両方を配合しているレシピがあるのはなぜ?

様々なレシピをみると、全卵と卵黄の両方を配合しているレシピがあることに気がつきます。

何となく予想が付いた方もいますかね。

ヒントは、、全卵には卵白と卵黄が含まれる。というところです。

前の章でもお話しましたが、1個の卵の中には卵黄よりも卵白の方が多く含まれます。

なので、卵の風味を出したいからといって全卵の量を増やすと、
卵白の配合量がどんどん増えてしまうのです。

パン作りでは卵白と卵黄の働き方は全く違います。
卵白は歯切れの良い食感を出してくれます。

一方で注意しなければならないのが、卵白の配合量が増えるとパンがかたくパサっとした食感になりやすいという事です。

ゆで卵の白身はとてもかたいですよね。
そのようなイメージで、卵白が増えるとパン生地もかたく感じるようになります。

パサっとした食感は一般的には好かれないことが多いと思います。
そのため、特別な場合を除いては全卵の配合量は必要以上に多くしないという事に注意すると良いと思います。

卵黄に全卵を足しているレシピは、卵黄の特徴を強くだしたいけど、ちょっと軽さも欲しいという狙いがあるのだろうと私は考えています。

卵黄と全卵の2つが必要になるので、家庭で作るには少し面倒かもしれませんが、
卵黄と全卵の良いところ取りをしたいと考えて、一度試してみるのも楽しいと思います(*^_^*)


◎まとめ◎パン作りに使う卵黄と全卵の特徴を知って、自分好みのパンを焼こう!

『卵の効果』というと、やはり卵黄の特徴に目がいってしまいます。
それほど、卵黄が持つ乳化剤としての役割は、パン作りにおいては欠かせないということです。

しかし、全卵を配合したパンには卵黄だけを配合したパンとは違う良さがあります。

レシピを色々試してみると、この食感と味は好みだなというものが見つかるはずです!

材料の卵の部分にも注目して、パン作りを楽しんでくださいね(^^)

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参考資料
科学でわかるパンの「なぜ?」
パンづくりのメカニズムとアルゴリズム
NEW 調理と理論 第二版