『100%全粒粉でパンが焼ける』
微粉砕の全粒粉を製菓材料店で発見したのは数年前?でしょうか。
興味はあったのですが、なかなか買う機会がなく、、、
新しいレッスンメニューのレシピに使用するために、
思い切って購入してみました。
微粉全粒粉を実際に使用してみた感想と、
私なりに気が付いた注意点をお話していきたいと思います。
そもそも全粒粉って何?
『100%全粒粉で焼ける』というのがキャッチコピー。
ということは、一般的には100%全粒粉ではパンが焼けない?となりますね。。
小麦はお米のように粒になっていて、
その粒の一部を細かく砕いて粉状にしたものが小麦粉です。
図1を見ていただくと、白い小麦粉になるのは小麦の粒の一部分のみということがわかると思います。
一方で、全粒粉は小麦の粒をすべて粉にしたものです。
上の写真は、両方とも全粒粉です。
左側の石臼挽きの全粒粉は荒い粒がまざっていて、ザラザラしていますね。
この外皮などの固い部分が、パン生地のつながりを悪くしてしまいます。
図2を見てみましょう。
グルテン膜は網戸のように、細かい編み目状の膜です。
このグルテン膜に、全粒粉の粗い粒がドシドシ穴をあけます。
すると、、、グルテン膜は穴だらけ。
弱々しいグルテン膜では、パンをふわふわに膨らませることができなくなってしまいます。
一般的に全粒粉100%のパンがふわふわに膨らまないのは、
グルテンのつながりが切れてしまうからなのですね。
全粒粉のパンが膨らまない原因についてはこちらのブログも参考にしてくださいね。
【これって失敗!?】全粒粉のパンが膨らまない理由とは?
微粉全粒粉にはグルテン膜ができるの?
微粉全粒粉は、小麦粉のようにさらさらとした粉状になっています。
大きい粒がなく、色も白っぽいイメージです。
私もはじめて触ったときは、粒子の細かさにびっくりしました。
今回使用した微粉全粒粉は富澤商店さんに購入したものです。
小麦粉の産地はカナダ主体ということです。
https://tomiz.com/item/00021702
コッタさんでも、微粉砕の全粒粉が売られていますが、
こちらは北海道産の小麦。
小麦の品種が違うので性質はそれぞれの特徴があることご了承くださいね。
微粉全粒粉は小麦粉で作るパンと100%置き換えできるという事なので、
水とまぜたらグルテン膜ができていくはずですね。
そこで、微粉全粒粉に70%の水分を入れてまぜたのが、こちらの写真です↓
コロンと丸まりました。
これを1時間程度、置いておきます。
すると、、、
グルテンの膜がつながって、小麦粉のようにビヨーンとよくのびる生地になりました。
微粉全粒粉は、小麦粒の外皮などもすべて細かく粉砕されているので、
グルテンのつながりを極力じゃましないようになっているのだと思います。
【強力粉と比較①】水分量に要注意!
強力粉の春よ恋とも比べてみましょう(どちらも70%の水分をいれてまとめました)。
これは、、大きな差がでましたね。。
強力粉の春よ恋に70%の水分を加えると大分ベタベタします。
一方、、微粉全粒粉はすっかり水分を吸ってしまいます。
粉っぽさも残っていますね。
つまり、微粉全粒粉は小麦粉と100%置き換え可能とは言っても、
水分量をそのままにするのはNGです。
この内容については、コッタさんの商品ページに解説がありました。
https://www.cotta.jp/products/detail.php?product_id=027526
コッタさんでは、小麦粉から100%微粉砕全粒粉に置き換える場合。
加水10%を増やすように注意書きがあります。
この理由としては、食物繊維などが多くの水分を吸収するためとのことです。
私が今回使用しているのは富澤商店さんの微粉全粒粉です。
シンプルな食パンなどの場合。
微粉全粒粉100%で使うなら、加水量75~80%くらいになるのではないかと思います。
実際には、レシピにもよりますので試してみないとわかりません。
ただ、微粉全粒粉が吸水率が高いというのはポイントですよ!
【強力粉との比較②】微粉全粒粉の扱いはやさしくね!
私が試作を繰り返してみての注意点です。
微粉砕とはいえ微粉全粒粉でつくったパン生地は、
小麦粉に比べてグルテン膜の伸びが悪い。
小麦粉とまぜてパン生地を作っています。
上の写真のように、グルテン膜は張ってきます。
弾力もあります。
ただ、伸びがわるい、、という印象です。
そのため、成形の時に強めに丸めを行ったり、
麺棒でぐいぐい伸ばしたりすると、パン生地が傷みやすいです。
扱っているとよくわかりますが、表面の生地が切れやすくなります。
ポイントとしては、
微粉全粒粉が多く配合されたパン生地の扱いはやさしく。
パン生地に負担をかけるような成形は極力さけた方が良いかなと思います。
【石臼挽き全粒粉と比較】グルテンのつながりが歴然の差!?
一般的な粒感のある石臼挽きの全粒粉とも比べてみましょう。
どちらも、粉に対して70%の水分をいれてまぜました。
石臼挽きの全粒粉はぼっそぼそ。
丸めることができません。
これを約1時間放置します。
1時間ほど放置すると、自然にグルテンがつながってきます。
微粉全粒粉はビヨーンとゴムみたいに伸びますね。
一方。
荒い粒が入った石臼挽きの全粒粉はボソボソのまま。
多少粘りがでていますが、ほぼグルテンのつながりがありません。
この結果をみると、同じ全粒粉でも粉砕方法や粒の細かさで、
全く性質が異なることがわかりますね。
やはり、パン作りは面白いなぁと思います。
【味や風味はどうなの?】微粉全粒粉でつくるパンの特徴
上の写真は、私が試作したパンです。
微粉全粒粉を40%配合しました。
このようにふんわり。
見た目にも柔らかそうですよね。
ちなみに、上の試作の写真は中種法でつくっています。
中種法は、ふんわりよく膨らむパンにするのに最適な方法のひとつです。
中種法についてはこちらのブログでくわしくお話していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
https://atelier-epice.net/nakatanenokouka/
実際に食べてみるた感想です。
◎荒い粒感がないので、パン生地の口当たりなめらかで柔らかい。
◎全粒粉の香りはしっかり。風味は良い。
素直においしい全粒粉です。
荒い粒感のある全粒粉も香ばしさが最高ですが、
微粉全粒粉のパンはもっと上品な感じです。
実際に使ってみて、微粉全粒粉はとても気に入りました。
荒い粒感のある全粒粉とは違って、よく膨らむし食べやすい。
でも、全粒粉の風味はしっかり。
レシピは色々と頭に浮かんできています(*^^)v
教室のメニューを少しご紹介しますね。
どちらも、大人っぽいパンですが、
微粉全粒粉の効果もあってふわふわです。
全粒粉の風味が上品なので、リンゴなどの爽やかな香りの果物との相性もとても良いと感じています♪
◎まとめ◎ふんわり柔らかいパンが好きなあなたへ。微粉全粒粉は超おススメ!
微粉全粒粉。
もっと早く買えばよかったなぁと感じる位に使いやすくおいしいです。
【微粉全粒粉の扱いの注意点】
◎全粒粉の食物繊維のために吸水率が高い。小麦粉と置き換える場合は加水を増やす!
◎グルテン膜の伸びがわるく、生地切れしやすいので成形などはやさしく行う。
私が実際に使ってみての、感想をまとめてみました。
まだまだ、いろいろなレシピに活用していくつもりです。
新たに気が付いた特徴などがあれば、どんどんご紹介していきますね。
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参考資料
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