レーズンのまぜ方が違うだけ。
配合は同じなのに。
下の写真のふたつのレーズン食パンは
全く膨らみ方が違います!
具材たっぷりの手作りパン。
憧れますよね。
私も初心者の頃に、レーズン食パンに挑戦したことがあります。
でも、、膨らみが悪い??
今考えれば、膨らまなかった理由はたくさんあっただろうなぁと思います。
その膨らまない原因のひとつ。
それが、パン生地へのレーズンのまぜ方です。
ただ、パンに具材を混ぜていくだけ。
なのですが。
ぐちゃぐちゃと混ぜるのはNGなのです。
その理由について、私が実際に作って比較した写真をみながら、
わかりやすくお話していきたいと思います。
【レーズンのまぜ方に要注意!】パン生地のグルテンのつながりが切れる
パン生地に具材をまぜる時。
こね上がったパン生地にまぜこみます。
こね上がったパン生地は、下の写真のようにツルっとした表面です。
薄ーく、指を使ってのばしていくと、
きめ細かいグルテン膜ができているのが良くわかるはずです。
このように、捏ねるとグルテン膜がパン生地全体に広がっています。
このパン生地に具材をまぜるわけです。
レーズンなどの具材を混ぜると、
せっかくできたグルテン膜が切れてしまいそうです。
そして、実際に作ってみたのが下の写真になります。
捏ねてグルテン膜ができているパン生地に、
レーズンを力いっぱい混ぜ込みました。
◎レーズンはボロボロに砕けている。
◎パン生地の表面にツヤがない。
◎パン生地が荒れて、しわしわになっている。
今回は、かなり極端に力を入れてまぜていますが、、
悲しくなる位に傷ついてしまったパン生地が出来上がりました。
パンに具材を混ぜると、
パン生地に広がっているグルテン膜に穴を開けてしまいます(図1)
図1に模式図を描きました。
パン生地のグルテン膜を網戸に例えています。
そして、レーズンなどの具材は赤いボールです。
ボールが、たくさん飛んできた網戸は穴だらけ。
傷ついて弱々しい網戸になってしまいました。
具材を入れるだけで穴だらけのグルテン膜になります。
それをぐちゃぐちゃ混ぜると、、、
グルテン膜の穴を無理やり広げているイメージ。
大きな穴がたくさん開いたグルテン膜は、超よわよわ。
もはや、膨らむ力もなくなってしまうのですね。
パン生地のグルテンを傷つけないレーズンのまぜ方とは?
レーズンなどの具材がパン生地の中に入ると、
それだけでグルテン膜に穴が開いてしまいます。
できるだけグルテン膜を傷つけないように、
具材を混ぜるにはどうすれば良いのでしょうか?
具材のまぜ方もいろいろな方法があります。
私も今までに何通りも試してきました。
その経験上です。
パンの膨らみに影響が少ない。
グルテン膜をできるだけ傷つけない具材のまぜ方。
捏ねあげたパン生地を麺棒で伸ばします。
その上にレーズンなどの具材を散らし、
生地を半分に切って重ねます、、、
重ねた生地を半分に切って重ねる。
という作業を繰り返し行うのです。
このように、具材をサンドして何層にも重ねます。
これで混ざってる?
そう思うかもしれませんが、
一次発酵を終える時には、パン生地と具材がすっかり馴染んでいますよ。
さまざまにやり方はありますが、
『パン生地を切って重ねる』
という方法で具材をまぜると、
グルテン膜の傷は最小限になります。
一次発酵後には、こんなツヤツヤのパン生地になります↓↓
捏ねたパン生地を引きちぎるように、
具材をぐちゃぐちゃに混ぜ込んだものと比べてみましょう。
これらのパン生地を同じように成形して、最終発酵させます。
大体、型上1~2cmくらいまで最終発酵させます。
そして、オーブンで焼いたレーズン食パンがこちら。
これほど、膨らみ方に差がでるとは…驚きますね。
具材を引きちぎって、ぐちゃぐちゃに混ぜたパン。
こちらは、グルテン膜が傷ついてしまっています。
グルテン膜は、膨らんだパンを支える骨格になります(図2)。
傷ついて弱々しいグルテン膜では、
もうパンを膨らませるだけの力がないという事になりますね。
パンが冷めてからの柔らかさが段違い!翌日固くなるパンの原因は『具材もまぜ方』かも?
パンは焼きたてがおいしい。
これは本当ですね。
焼きたては、パンの小麦粉のデンプンもぷるぷる。
炊き立てごはんのように柔らかく、おいしいのは当たり前です。
ただ、パンの場合。
冷めてからの方が、
小麦粉や発酵の旨みがなじんで、より本来の味を楽しめるとも思います。
今回、焼いたレーズン食パン。
グーンとよく膨らんだのは、具材を切って重ねてまぜたものです。
上の写真は、焼いた翌日のレーズン食パンですが。
こんなに柔らか。
ふわっふわです。
一方、膨らみの悪かったレーズン食パン。
(具材を引きちぎってぐちゃぐちゃに混ぜたパン生地)
焼いた当日もくちどけが悪く、とてもおいしいとは言えない状態。
翌日は、さらに固くなっていました。
膨らみが悪いので、生地がぎゅっと密になっています。
きめも荒いので、ねちゃっとした食感になっていました。
パンが膨らまない。
冷めると固くなる。
このお悩みはとてもよく聞きますし、原因はひとつではありません。
『具材のまぜ方』を変えるだけで、
こんなにも膨らみ方はかわります。
レシピの配合は同じでも、
工程を工夫すれば、パンはもっとやわらかくふわふわになります。
◎まとめ◎レーズンパンが膨らまない?グルテンを傷つけない具材のまぜ方がポイント!
具材たっぷりのパンは、膨らみが悪くなります。
それは、パンの骨格になるグルテン膜に穴を開けてしまうからです。
具材のまぜ方は、
グルテン膜をできるだけ傷つけないようにするのがポイントです。
写真の左側のパンのように、
捏ねあげたパン生地を引きちぎるように混ぜると、
グルテン膜を傷めてしまいます。
このように引き伸ばして混ぜるのが不正解という訳ではありません。
ていねいに織り込むように混ぜていくと、影響はすくなくなります。
私が今まで試してきた中では、
『捏ねあげたパン生地を切って重ねる』ようにするのが
最もパンがよく膨らむ方法だと思います。
ぜひ、試してみてくださいね(*^^)v
パン作りで知っておきたい具材の知識は、こちらのブログも参考にしてくださいね。
【失敗談!】パンに混ぜ込む具材の割合は?欲張りすぎると膨らまない!?
【失敗の原因】パンが膨らまない!!ドライフルーツの入れすぎに注意
【材料の知識】パン作りに使うドライフルーツの下処理は?
【パンの焼き時間の考え方】パンの生焼けを防ぐには?/具材をアレンジするときに知っておきたいこと
家庭のパン作りの正解がわからない?
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