パン作りのライ麦粉をあまらせていませんか?
あまったライ麦をおいしく大活用!
おしゃれなカフェ風ランチに大変身させます(^-^)
フランスのブルターニュ地方発祥のガレット。
今や専門店もたくさんありますね。
私も大好きで、若いころはよーく食べに行きました。
ガレットの生地はそば粉で作られます。
しかし、そば粉もなかなか使い道がない材料ですよね。
ガレットのためにそば粉を買っても、
結局あまらせてしまう事になってしまいます。
そば粉の代用にライ麦粉は使える?
そば粉もライ麦粉も風味は強め。
そして、小麦粉がもつグルテンを持たないのも同じです。
それなら、、
そば粉とは違うおいしさの『ライ麦ガレット』もきっとおいしいだろう。
そう思ってレシピ作成をしていきました。
家にある材料でできる!
ライ麦のクセもおだやかで食べやすい。
手軽にできるライ麦ガレットのレシピが完成しました(^-^)
インスタライブで作り方も実演しています。
インスタライブ(ライ麦ガレット)→https://www.instagram.com/p/CvdoeXWJHOe
このブログでは、レシピの詳しい部分をお話しながらアレンジ方法もご紹介していきたいと思います。
ライ麦だけでは難しい!?小麦粉とまぜる意味とは?
ライ麦は小麦粉のようなグルテンを持っていません。
そのため、ライ麦のみで生地作りをしようとすると、
ガレット生地が破けやすくなってしまいます。
そこで、つなぎ役として登場するのが小麦粉です。
小麦粉がもつ『グルテン』。
パン作りをする方なら知らないひとはいない。
というくらいに超重要ですね。
グルテンは『あみ目の膜』を作ります(図1)。
このグルテンの膜がガレット生地のつなぎ役になるのです。
ガレットもクレープも生地を寝かせる時間が大切!
そして、ガレットと似ているクレープ。
どちらもフランスの郷土料理です。
ガレットはそば粉を使いますが、クレープは小麦粉で作るのが基本です。
ガレットとクレープのレシピを見てみると、
ほとんどのレシピに『材料をまぜた生地を寝かせる』という工程があります。
クレープ生地を寝かせる理由
さて、ガレットはそば粉、クレープは小麦粉でつくることが多いです。
使う粉の種類によってねかせる理由は違うはずですよね。
まずは、小麦粉を使うクレープ生地を考えてみましょう!
クレープ生地を寝かせると良い効果がたくさんあります!
・しっとりする。
・もっちりする。
・生地がやぶれにくくなる。
・生地を薄く焼くことができる。
小麦粉を使うクレープを寝かせる理由。
それは、小麦粉が持つ『グルテン』に秘密が隠されています。
小麦粉に水を加えて捏ねることでグルテンは作られます。
でも、パンや麺を作る時。
休ませる工程がたくさんあります。
『休ませる』こととグルテンは関係がないのでしょうか?
実は、グルテンは『生地を休ませる』ことでも作られます。
そのため、小麦粉で作られるクレープ生地を焼く前に休ませることで、
クレープ生地のつながりが良くなります。
すると、生地が破れにくくなるというわけですね。
クレープ生地を寝かせる理由については、こちらのブログに詳しく記載しています。
【作り方のなぜ?】クレープ生地を寝かせる意味は何か
グルテンの働きについては、捏ねないパンのなぜ?で深堀しています。
【パン作りのなぜ?】捏ねないパンが膨らむ原理とは?グルテンが出来る仕組みを考える!
そば粉のガレット生地を寝かせる理由
そば粉でつくられるガレット生地。
そば粉はグルテンを作らないはずです。
ガレット生地を寝かせる意味はあるのでしょうか?
そば粉で作るガレットのレシピをみると、
ほとんどのレシピで一晩寝かせるという工程があります。
やはり、グルテンを持たないそば粉でも、
材料をまぜた後に寝かせる理由があるようですね。
私も色々と調べたのですが、そば粉で作るガレット生地を寝かせる理由を
詳しく書いている資料を見つけることができませんでした。
調べている中で、そば粉に水を加えると粘りのある物質ができるという論文*1を見つけました。
この粘りのある物質がそば打ちの技術にも活かされているようです。
そば職人さんは素晴らしいですね。
ここからは私の考察です。
そば粉も小麦粉などと同じように、粒の中心まで水分がいきわたるには時間がかかります。
→これを水和といいます。詳しくはこちらのブログを参考にしてください。
【パン作りの豆知識】水和とは?パン生地のしっとり感が長持ちする!
そば粉でつくった生地を寝かせると、
そば粉の粒の中心まで水分を吸収します。
すると、粘りのある物質ができてガレット生地のつながりが良くなります。
そのため、そば粉のガレット生地を寝かせると、生地が破れにくくなってモッチリとした食感になります。
*1大日方洋,小原忠彦,村松信之,唐沢秀行,大池てる威.
そば粉に含まれる水溶性粘質物の特性について.Nippon Shokuhin Kogyo Gakkaishi Vol. 38, No. 5, 391~397 (1991)
ライ麦で作るガレット生地を寝かせる理由
今回、ご紹介するライ麦でつくるガレット生地。
このレシピでは、ライ麦粉と小麦粉を混ぜています。
ライ麦粉は、小麦粉のようなグルテンをつくることができません。
そのため、ライ麦粉100%でつくるパンはほとんど膨らまず、どっしりとした食感になります。
ライ麦粉の中には、セカリンという粘りをだすたんぱく質が含まれます。
さらに、ペントサンという多糖類が水とくっついて粘り気がでてきます。
ライ麦パンを捏ねる時にベタベタになります。
これは、ライ麦粉と水がまざると粘り気のある物質ができるからです。
ライ麦粉でガレット生地を作る時。
この生地を一晩じっくり寝かせます。
すると、ライ麦粉が水と出会うとできる粘りがでてくるのです。
今回のレシピでは、小麦粉がもつグルテンつながり。
そして、ライ麦粉の性質をフル活用しています。
クレープやガレット生地を寝かせる効果は絶大です。
もちもちで生地も破れにくくなる。
前日から準備をすると、おいしさも倍増しますね。
ライ麦の特徴についてはこちらのブログを参考にしてくださいね。
【パンの材料Q&A】ライ麦にグルテンはできる?できない?
ガレット生地があまったら・・・生地だけ冷凍保存がおすすめ
このレシピでは、ガレット生地が約5枚分できます。
一気に食べきれない時。
生地だけで冷凍保管するのがおすすめです。
ガレット生地を両面焼いて、あら熱がとれたら1枚ずつラップで包みます。
これを保管袋に入れて冷凍庫へ。
室温解凍ですぐにやわらかくなります。
解凍した生地をガレットにして食べても良いですし、
野菜などの具材を巻いてラップサンドにするのもおいしいですよ!
ライ麦ガレット生地でラップサンドをつくろう!
レシピを調べてみると、ラップサンドはトルティーヤ生地でつくることが多いようですね。
今回ご紹介しているライ麦ガレット生地は少し厚め。
具材に負けない生地の存在感もあって美味しいですよ(*^^)v
まず生地を広げて、具材を置きます。
◎サラダ菜
◎スライスチーズ
◎きんぴら
◎サラダチキン
◎すりごまマヨネーズ
気軽に作れるように、ほぼコンビニで買える具材にしてみました。
これを春巻きのように巻いていけば完成です。
ワックスペーパーなどで包めばお弁当にもぴったりですよ。
色々な具材で応用できます!
インスタライブでもラップサンドの作り方を実演していますので、
良かったら参考にしてくださいね。
https://www.instagram.com/p/CvdoeXWJHOe
◎まとめ◎パン作り以外でもライ麦粉を活用!おしゃれなカフェ風ガレットを楽しみませんか?
パン作りであまりがちがライ麦粉。
できるだけ新鮮なうちに粉類は使い切りたいですよね。
私もパンのレシピを考える時。
パン生地のバリエーションとして、ライ麦や全粒粉などを使います。
生徒さんにライ麦粉を使い切ってほしいとの思いもあって、
今回のガレットのレシピを考えました。
パン作りで使う材料は、お菓子作りやお料理にも活用できます。
様々な見方で材料を考えると、面白い発見が見えてくると思います。
ライ麦ガレットを作ってみたい!という方は、
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西東京市パン教室アトリエエピス 井手芙雪(いでふゆき)
参考資料
・科学でわかるパンの『なぜ?』
・大日方洋,小原忠彦,村松信之,唐沢秀行,大池てる威.
そば粉に含まれる水溶性粘質物の特性について.Nippon Shokuhin Kogyo Gakkaishi Vol. 38, No. 5, 391~397 (1991)