【パンの材料Q&A】強力粉の代用に薄力粉は使える?/強力粉と薄力粉の違いを解説!

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パン作りには小麦粉が必要なのはわかる…

『強力粉』って材料には書いてあるけど、、
結局強力粉が余るのも嫌だしなぁ~。薄力粉に代用してみても良いかな??(^_^;)

そもそも小麦粉に種類ってあるのか???

強力粉

薄力粉

スーパーに行くと、大抵この2種類の小麦粉が売っていると思います。

結論から言うと、パン作りにおいては強力粉をすべて薄力粉に代用する事はできません。

なぜ???

◎強力粉と薄力粉の違いとは?
◎なぜパン作りには強力粉が良いのか?

この2つの項目に着目して、パン作りで強力粉をすべて薄力粉に代用できない理由を解説したいと思います。

【小麦粉の種類】強力粉と薄力粉の違いはタンパク質の量

『小麦粉』とは、『小麦』から作られる粉の事です。

当たり前のようですが、米粉は『米』が原料で、ライ麦粉は『ライ麦』が原料です。

日本では、家庭用の小麦粉を次の4つの種類に分けています。

薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉

この4つの小麦粉の違いは何なのでしょうか?

この答えは、小麦粉に含まれる

タンパク質の量です。

小麦粉のタンパク質の量を比較してみます。

『小麦粉のタンパク質含有量(目安)』
●薄力粉:6.5~8.5%
●中力粉:8.0~10.5%
●準強力粉:10.5~12%
●強力粉:11.5~14.5%

よーく眺めてみると、何がわかりますか?

薄力粉のタンパク質の量が少なくて、
中力粉、準強力粉、強力粉の順にタンパク質の量が多くなる。

その通り!!ご名答です(^^)

パン作りに強力粉が向いている理由は、タンパク質の量が関係しています。

小麦粉に含まれるタンパク質とは?強力粉がパン作りに向いている理由

小麦粉の主な成分(目安)は、
●炭水化物(糖質と食物繊維) 70~78%
●水分 14~15%

●タンパク質 6.5~13%

●脂質 2%
●灰分 0.3~0.6%

小麦粉の分類に使用される『タンパク質』は、、、6.5~13%。

意外と少ないですね(^_^;)

それなのに、なぜタンパク質が小麦粉の分類に使われるのか?

グルテン

グルテン』という言葉は、パン作りをしていると聞いた事がある方も多いのではないかと思います。

小麦粉のタンパク質の主成分はグルテニングリアジンという物質です。

グリアジンとグルテニンというタンパク質に水を加えて力を加えるとグルテンができます。

パンが膨らむためには、グルテンがとても重要です。
グルテン膜は、風船のゴムのようなもので、イーストが発生する炭酸ガスを包みこんで
パンの骨格を作る役割をします。

小麦粉のタンパク質が多い=グルテンがたくさんできる

パン作りに強力粉が選ばれる理由は、小麦粉のタンパク質から作られる『グルテン』がパン作りにおいて重要だからなのです。

小麦粉を使う料理というと、何が思い浮かぶでしょうか?

ケーキのスポンジ生地やクッキーなどのお菓子、うどんやパスタなどの麺。

パンだけなく、これらの小麦粉を使うお菓子や麺作りにおいても『グルテン』が大きく影響します。
そのため、小麦粉の分類には『タンパク質の量』が使われるのです。

パンが膨らむメカニズム/グルテンと炭酸ガスについては、こちらのブログに詳しく記載しています。良かったら参考にしてみてくださいね(o^^o)♪
【パン作りの失敗】一次発酵でパン生地が膨らまない!原因と対策は?

強力粉と薄力粉は吸水量が違う!!

パン作りで使う強力粉をすべて薄力粉に代用したら?

薄力粉はグルテンを作るためのタンパク質の量が少ないため、
ふんわりと膨らんだパンにするのは難しいです。

薄力粉だけでパンを焼くというのは、特殊な場合を除いてほとんどないと思います。

でも、、、このような時ってありませんか?

レシピの強力粉の量が少し足りない(゚ロ゚)
少しだけだけど、薄力粉に代用しても大丈夫かな???

色々なパンのレシピを見ていると、

小麦粉のうちの一部を薄力粉を使うものがあります。

タンパク質の量が少ない薄力粉を配合することで、軽い食感を出すことができます。

他にも、バケットなどのハード系のパンなど、むしろグルテンの量を控えめにしたい場合もあります。
そのためハード系のパンなどでは、強力粉よりもタンパク質量の少ない準強力粉や中力粉が使われることが多いです。

という事は?

小麦粉のうち全量が強力粉でなくても、パンとして焼きあがる事がわかります。

冒頭の疑問に戻りましょう。
強力粉が少し足りない場合は、その分を薄力粉に代用しても良いの??

少しというのが曖昧ですが、一部でしたら薄力粉に変えてもパンとして焼きあがります。
(レシピによるので、具体的なgグラムを明言する事ができません。すみません(>_<))

ただし!!!

①もとのレシピと同じ食感や膨らみにはならない
②水分量を減らす必要がある

この2点に注意する必要があります。

①の『もとのレシピと同じ食感や膨らみにならない』というのはすぐにイメージできますね。

薄力粉を配合した場合は、小麦粉の全量が強力粉で作る時よりも、全体のタンパク質の量が少なくなります。
すると、グルテンの量も少なくなるため、パンの食感に違いがでてきます。

もうひとつの

②水分量について。

これも、小麦粉に含まれるタンパク質の量に注目すると理解しやすいです。

パン生地を捏ねていると、
その日の湿度や使う小麦粉の種類によって、パン生地の硬さが違う事に気がつきます。

ある日はべたべた~
他の日は硬め??

ここがパン作りの難しいところでもあり、面白いところでもありますね( ´ ▽ ` )ノ

小麦粉の吸水量には様々な要素が関係しています。
そのひとつが、

小麦粉のタンパク質の量なのです。

おさらいをすると、
小麦粉に含まれるタンパク質(グルテニンとグリアジン)に、
水を加えて力を加えるとグルテンができます。

小麦粉のタンパク質は水と結びつく=水を吸収する(吸水量が多くなる)のです。

となれば、

タンパク質の量が多い強力粉の方が、薄力粉よりも吸水量が多くなることがわかります。

ここで、わかりやすくするために実験をしてみました!

薄力粉と強力粉のそれぞれに、小麦粉の分量の70%の水を加えて混ぜました。
捏ねていません。スプーンで粉気がなくなるまで混ぜただけです。

小麦粉の量に対して70%の水分を加えて混ぜた生地

写真をみると、薄力粉の生地の方はベタベタとしています。

一方で、強力粉で作った生地は水分を吸って、ひとまとまりになりましたね。

このように、薄力粉と強力粉が吸う水分の量は違います。


そのため、

強力粉の一部を薄力粉に変えた場合、レシピの水分量を減らす必要があるのです。

◎まとめ◎強力粉と薄力粉の違いを知って、パン作りの小麦粉選びに活用しよう!

パン作りの強力粉を薄力粉に代用できるのか?
をテーマにして小麦粉の種類について紐解いてきました。

◎小麦粉の種類はタンパク質の量で分けられる
◎パン作りにはタンパク質の量が多い強力粉が向いている
◎パンのレシピや種類によっては準強力粉や中力粉が使われる
◎小麦粉の一部を薄力粉に変えてパンを作ることができる
◎小麦粉の吸水量にはタンパク質の量が関係している

ポイントをまとめると上記のようになります。

パン作りにおいては、小麦粉選びはとても大切です。
味も違えば、食感も違う。

お米にこだわるように、小麦粉にもこだわりがある方も多いと思います。

そして、小麦粉は味の違いだけででなく、
含まれるタンパク質の量によって全く違う用途に使われます。

薄力粉⇒お菓子や天ぷら
中力粉⇒うどんや麺類
準強力粉⇒バケットやカンパーニュ
強力粉⇒食パン

例えをあげればきりがありませんが、小麦粉を使うお料理は世界中にたくさんあります。

小麦粉の性質を利用して、これらの使い分けがされていることは、とても面白いですよね!
先人達の努力と経験を本当に尊敬します(*^_^*)

ぜひお気に入りの小麦粉を見つけて、パン作りを楽しんでくださいね!!
ただし、小麦粉の種類には注意してくださいね( ´ ▽ ` )ノ

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参考文献
パンづくりに困ったら読む本
科学でわかるパンの「なぜ?」