【パン作りの冷蔵発酵】一次発酵で透明タッパーを活用して過発酵を防ぐ!

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冷蔵発酵の一次発酵はどこが正解なの?迷うあなたへ。

冷えているパン生地は手で触っても固いですよね。
発酵器30℃で発酵を行うパン生地はふわふわしています。

そのため、冷蔵発酵のパン生地の一次発酵の終わりは何で判断するのかがわからない。
悩むのも当たり前なのです。

私は冷蔵発酵に挑戦する前から、通常の発酵器を使ったパン作りを何年も行っていました。
それでも、冷蔵発酵のパン生地はちょっと様子が違うのです。

このブログでは、冷蔵発酵の一次発酵の見極めのポイントをお話していきたいと思います。

*冷蔵発酵は、パン作りの発酵を冷蔵庫で行う製法です。
長時間低温発酵、オーバーナイト法とも呼ばれています。各用語のニュアンスは少しちがいますが、家庭でのパン作りではほぼ同じ意味と考えて問題ないと思います。

一次発酵の見極めとは?

一次発酵の見極めは、基本的に通常の発酵器での発酵でも、冷蔵発酵でも同じです。
基本をおさらいするために、まずは一次発酵の見極めについて解説していきたいと思います。

図1の赤い枠は発酵の工程です。
一次発酵というは、パンの材料を捏ねたあとに行う発酵を言います。

図1

丸めたパン生地を寝かせて発酵させていきます。
この時の温度次第で、発酵時間が短くなったり長くなったりしますね。

この時にパン生地を入れる容器は、ステンレスのボールを使うのが一般的ではないかと思います。

ステンレスのボールに入れた時の発酵の進行具合を見てみましょう。

発酵前
発酵不足
発酵適正

さらに、発酵が進むとひどい過発酵の状態になってしまいます。

過発酵

大きさがどんどん大きく膨らんでいる様子が、視覚的にわかると思います。

一次発酵の見極めのポイント①大きさが何倍になっているか

これは一番わかりやすいので、絶対にチェックしてください。

そしてもうひとつ、代表的なのがフィンガーテストです。
人差し指の第二関節くらいまでをパン生地に差し込んで、引き抜いた時の様子を観察します。

適正な状態では、差し込んだ指の跡がそのまま残るか、少しだけ押し戻されてきます。

これは手の感覚で、パン生地の張りと柔らかさのバランスを確かめるテストです。

適正に発酵が進んでいる状態では、適度な張りを保ちつつ柔らかい伸びの良いパン生地になります。

発酵不足は、太く固いゴムのように弾力が強い状態です。フィンガーテストをすると、キュッと穴が塞がってしまいます。

一方で、過発酵はビヨビヨに伸びきったゴムです。少しの衝撃でも、簡単に割れて壊れてしまいます。この状態でフィンガーテストをすると、パン生地はプシューと沈んでしまうのです。

一次発酵の見極めのポイント②フィンガーテスト 手の感覚

という事になります。

そして、最後に生地の表面を観察する事も忘れてはならないポイントになります。

もう一度、発酵が適正な状態と過発酵の状態を見比べてみましょう。

A発酵適正
B過発酵

A発酵適正のパン生地はツヤがあってキメが整っています。表面がキラキラしていますね。

一方でB過発酵のパン生地は表面がざらざらです。
過発酵になると、表面のツヤが失われてしまうのです。

一次発酵の見極めのポイント③ 表面の張りとツヤ

最後のポイントは見過ごされがちですが、視覚的に分かるところなので経験をつんでいくと正解への近道になります。
毎回、パン生地の様子をよく観察することをおすすめします(^^)

一次発酵については、こちらのブログにも詳しく紹介しています。良かったら参考にしてくださいね。
【検証】一次発酵で過発酵になったパンを焼いてみると、、、/過発酵について詳しく解説!
【パン作りの失敗】一次発酵でパン生地が膨らまない!原因と対策は?

冷蔵発酵での一次発酵のパン生地はどんな様子?

実際に冷蔵発酵させたパン生地の様子を見ていきましょう。

前章の一次発酵の見極めポイント①②③を確認します。

見極めポイント①大きさは何倍になっているか

たまたま作っていたパン生地が赤ワインを仕込み水に使っていたので、紫色をしています。

発酵前のパン生地の頂上の部分にマスキングテープで印をつけています
上の写真が発酵後のパン生地の状態を横から撮ったものです。

だいたい2倍くらいに膨らんでいますね。
今回の配合の場合は、約2倍に膨らんだところで適正な発酵になります。

一次発酵の見極めのポイント②フィンガーテスト 手の感覚

先ほどと同じパン生地のフィンガーテストをしてみます。
うん、良い感じです。空いた穴はそのまま残りますし、パン生地がしぼんでしまうこともありません。

ただ、冷たくて固い。

発酵前よりは柔らかくなっているので、繰り返すうちに感覚がつかめてきますが、
冷蔵発酵の経験があまりないうちは、少しわかりにくいかなと思います。

過発酵になれば明らかにわかりますで、過度に心配しなくて大丈夫です。

一次発酵の見極め③ 表面の張りとツヤ

再び、同じパン生地で表面を見てみましょう。

ピンとした張りもありますし、艶やかな表面をしていますね。
適正な状態に発酵しています。OKです。

今回のパン生地は、表面のツヤもよく見られましたね。
ただ、次のような場合があるので注意してください。

パン生地と冷蔵庫の温度差がある場合、パン生地表面が結露して水滴がつくことがあります。
こうなると、表面がどうしてもテカっと光ります。

今までパン作りをされてきた方も、冷蔵庫で発酵させた時のパン生地の様子に戸惑うこともあると思います。

ここまでお話してきたように、一次発酵の見極めポイント①②③の基本は同じです。基本を忘れずに、ポイントを抑えてパン生地をよく観察してみてくださいね。

透明タッパーは冷蔵発酵の秘密道具!

写真にも写っていましたが、パン生地の発酵の様子を確認するのに便利なのが、透明タッパーです。

一次発酵の見極めポイント①の見た目の大きさを確認するのに、大活躍します。

初心者の頃は、たくさんのパン作りのコツを言われてもよくわかりません。
私もそうでしたし、誰もが通る道です。

何よりわかりやすいのは見た目の大きさ

先ほどの写真のように、発酵前のパン生地の頂上のところにマスキングテープで印をつけるのです。

パンのレシピによって何倍まで発酵させるのかは違うと思いますので、
適正な大きさまで膨らめば発酵完了です。

THEシンプル。 
私は、誰でも視覚的に見ることができる、この方法が一番わかりやすいと思っています。

タッパーはどんなものでも大丈夫ですが、容器の大きさだけは注意してください。

大きすぎるものはNGです

同じ量のパン生地が入っているとします。
ものすごい大きい容器にいれてしまうと、2倍でも3倍に膨らんでも視覚的には小さくみえるのです。
要は、大きさがわかりにくいのです。

容器の大きさは、発酵後のパン生地の大きさが半分以上になるものを選んでください。
できれば、発酵後に3分の2以上になるものがわかりやすいと思います。

透明タッパーの活用法については、こちらのブログで詳しく解説しています。
【発酵不足と過発酵を防ぐ!】パン作りの一次発酵にタッパーを使うのがおすすめな訳

◎まとめ◎冷蔵発酵の成功の鍵は一次発酵の見極め!便利な透明タッパーを活用しよう

パン生地自体の温度が違うと、かなり生地の固さが変わります。
今までパン作りの経験をお持ちの方ほど、戸惑うところだと思います。

パン作りはどんな製法であっても、基本は同じです。

冷蔵発酵を行うのであれば、それに合わせて基本を応用していくだけです。

今まで積んできた経験は必ず役立ちます。

また、パン作りをはじめて間もないという方は、一次発酵の見極め自体に苦手意識が強いと思います。

まずは見た目の大きさです。

決して、時間だけで発酵を終わりにするのはやめてください。
その日その時によって、パン生地の温度は違います。
室温が違えば、冷蔵庫の庫内の温度も違うのです。

特に冷蔵発酵はレシピ通りの時間で発酵させるのは難しいと考えて良いと思います。

一次発酵の見極めは見た目と手の感覚です。

透明タッパーは補助的に、パン作りを楽にしてくれます。
100均のもので十分ですので、ぜひ試してみてくださいね。

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