翌日もびっくりするくらいやわらかい。
ふわっふわ。
もちもちしっとり。
私が冷蔵発酵でレシピを作る意味。
それは、究極のやわらかい食感です。
はじめに言いますと・・・
ご紹介するコーヒー食パンのレシピは難易度高めです。
ただ。
めっちゃやわらかいです。
パン作り中級者から上級者のあなたへ。
冷蔵発酵にチャレンジする気持ちで作っていただけたら嬉しいです。
冷蔵発酵とは?
冷蔵発酵は、その名の通りにパンの発酵を冷蔵庫で行う方法です。
オーバーナイト法、低温長時間発酵法とも言いますね。
これらの言葉には、微妙なニュアンスの違いがあると思いますが、
家庭のパン作りで使う中では、ほぼ同じ意味で使って問題ないかなと思います。
私が行う冷蔵発酵のレシピの特徴は下記のようです↓
①ふわふわのお菓子パンや食パン、バターロールも冷蔵発酵でしっとり感アップ!
②少しのイーストでイースト臭は極力控える
③ひとつのパン生地をアレンジして、具材や型でバリエーションをつくる。
冷蔵発酵の最大の魅力は、そのしっとり感。
理由はたくさんあります。
ここでは語りきれないほどです(笑)
代表的なものをあげると、『小麦粉の水和』が大切です。
小麦粉は粒になっています。
時間をかけて熟成すると、小麦の中心まで水分がしみていきます。
お米を炊く前に吸水させますよね。
そのようなイメージで、小麦粉の中心まで水分がしみ込んだパン生地はぷるぷる。
焼いても水分が飛びにくく、しっとり感が長続きします。
こちらの冷蔵発酵については、こちらのブログも参考にしてください。
冷蔵発酵(長時間低温発酵)のメリットとは?手作りパンが翌日も極上しっとり!
【パン作りの豆知識】水和とは?パン生地のしっとり感が長持ちする!
少しのイーストでイースト臭なし!
少しのイーストで長時間発酵。
レシピもよく見るようになっていますね。
そして、よく聞くお悩みが『イースト量はどうするの?』というもの。
ハード系のシンプルな配合のレシピは、ものすごく微量でつくる場合もありますね。
私も試行錯誤してきましたが、わかったことがあります。
ふわふわの菓子パンや食パンなどを作りたい場合。
超微量のイーストではうまくできない。
私たちが家庭で一般的に使う市販のイーストでつくった生地を冷蔵庫で保管すると、次第に発酵力が落ちてきます。
そのため、冷蔵庫の中で何日もパン生地を保管することを私はおすすめしません。
イーストにとって寒ーい冷蔵庫の中はあまり快適でないわけですよね。
ふわふわに大きく膨らませたい菓子パンなどを作る場合は、
ある程度のイースト量を使わないと作りにくいのです。
好みのパンの食感に仕上げるには、どれくらいのイーストを使うのか?
パンの配合に合わせて、イーストの量を考えましょう!
イースト臭を抑えつつ、ふんわり仕上げるのが私のレシピの特徴です。
こちらのブログも参考にしてください(^-^)
【パン作りの冷蔵発酵】ふわふわの菓子パンをつくるコツとは?
冷蔵発酵で超しっとり!コーヒー食パンのレシピ
では、冷蔵発酵でつくるコーヒー食パンをご紹介しますね。
同じ生地で作るお菓子パンのレシピもありますよ~!
【コーヒー生地の配合】
強力粉(キタノカオリ) 130g
イースト(サフ金) 1.0g
塩 2.0g
きび砂糖 26g
卵 10g
水 45g
牛乳 43g
インスタントコーヒー 2g
バター 20g
配合を詳しく見ていきましょう!
【コーヒー食パンの配合①】強力粉キタノカオリの吸水率を考える
強力粉のキタノカオリ。
とても人気がありますね。
パン屋さんでも、よく見ます。
キタノカオリの特徴は、膨らみの良さともちもち感。
そして、やさしい甘みだと思います。
おいしいお米をたべているようなイメージかなぁと。
日本人になじむ感じです。
主張が強いわけでもないけど、芯の奥でおいしさを感じる小麦粉です。
キタノカオリは国産小麦ですが、とても吸水率の良い小麦粉です。
シンプルな食パンを作るとして、
私は吸水率70~73%くらいを基準にしています。
今回のレシピ【コーヒー食パン】の配合の吸水率は70%です。
バターも砂糖も多めのレシピなので、
パン生地はかなりやわらかく扱いにくいことが想像できるかなと思います。
【コーヒー食パンの配合②】高糖生地用のイーストを使う理由
イーストは、パン生地の砂糖の量で使い分けます。
代表はサフの赤と金。
【赤サフ:低糖生地用のイースト】
砂糖の量はベーカーズパーセントで0~12%まで
【金サフ:高糖生地用のイースト】
砂糖の量はベーカーズパーセントで5%~
コーヒー食パンのレシピの砂糖の量は、ベーカーズパーセントで20%です。
砂糖の量が20%を超える場合、高糖用のイーストを使わないと発酵してきません。
レシピにイーストの指定がない場合は、
必ず砂糖の量を計算してからイーストを選びましょうね。
こちらのブログも参考にしてください。
【パンの材料Q&A】砂糖の割合で使い分ける!低糖/高糖生地用インスタントドライイーストとは?
【コーヒー食パンの配合③】塩の量に決まりはあるのか?
パンの材料の中では、超重要な『塩』!
パンの基本材料は4つです!
小麦粉・酵母・塩・水
パンが膨らむためには、塩が必要なのです。
塩なしのパンはダレてしまい、パン生地に張りがでません。
ダレたパンは膨らみませんから、塩なしパンは膨らみが悪くなります。
もちろん、塩味をつける意味でも塩の量は大切です。
お料理でもそうですが、一つまみの塩で味がグーンと引きたちますよね。
塩の量は0.1gまで、キチンとはかりましょう!
テキトーに計量したり、減塩したいからと勝手に量を変えては絶対にだめ!
塩の量を変えたら、味だけではなくてパン生地の食感もすべてが変わりますよ。
塩についてはこちらのブログを参考に↓
塩なしパン VS 塩ありパン
【塩の量は減らしても良い?】パン作りの材料・塩の割合はどれくらい?
【入れ忘れに注意!!】パン作りの塩の役割
【コーヒー食パンの配合④】卵でふわっふわ食感!乳化の働きでしっとり仕上がる
卵をいれると、パン生地の性質がまったく変わります。
生地を触るとわかりますよ!
卵を配合したパンは、とにかくよく膨らみます。
上のふたつの写真は、同じタッパーにいれています(卵入りの方が粉量が少ないです)。
卵入りの生地の方がグーンと大きく発酵していますね。
卵が入ったパン生地は、一次発酵のピークまでの大きさも大きくなります。
なんといっても、伸びが良い!
もちろん、オーブンに入れてもよく膨らみますから、
卵入りのパン生地はふわっふわ。
一次発酵の大きさはいつも2倍ではありません。
そのパン生地の配合に合わせて。
適正な発酵をとるのが、とっても大切ですよ!
卵についてはこちらのブログを参考にしてくださいね。
【検証!】卵を入れたパンはどう焼きあがる?/味・食感・膨らみに影響する卵の効果
【パンの材料Q&A】パン作りに卵白だけを使うことはあるの?/卵白の効果について
【パンの材料Q&A】パン作りに使う全卵と卵黄の違い・使い分けは?/両方を配合したレシピがある理由も解説します
【パンの材料Q&A】パン作りで卵黄を入れる効果とは?乳化剤としてのレシチンの働き
【コーヒー食パンの配合⑤】バターの力でしっとりとろける食感に!
このコーヒー食パンの中で、しっとり効果のために入れているのが【バター】です。
バターは油脂。
配合はベーカーズパーセントで15%です。
15%という数字は、それほど多いという印象ではないと思います。
バターロールの標準量で15%くらいですかね。
お菓子パンやブリオッシュは、さらにバターの量が増えます。
バターの量が増えると、パン生地のしっとり感が増してきます。
きめ細かくなるし、ケーキみたいなくちどけに。
そして、バターは卵と相性がとても良いです。
卵をいれつつ、バターを増やしていくと
卵黄がもつ乳化の働きでパンがしっとりなめらかになるわけです。
油脂の働きについては、こちらのブログで詳しく!
【パン作りの豆知識】バターの代用にサラダ油を使って良いのか?
【アレンジ術①】レーズンたっぷり!具材のまぜ方に要注意
具材たっぷりのパンは作りたい!
この気持ちはよーくわかります。
ただ一歩間違うと、膨らまないパンになってしまう、、失敗の可能性大です。
上の写真は、具の量を変えたパンです。
具材がそのパン生地の許容量を超えると、、、
これだけ膨らみが悪くなってしまいます。
パンの具材は入れすぎ注意!
そして、具材のまぜ方にも工夫が必要です。
今回のレシピのコーヒー食パンはレーズンを巻きます。
そして、具材を混ぜるのは成型の時。
パン生地のこね上がりに具材を混ぜると、グルテン膜が傷つきます。
そのため、パンの膨らみに大きく影響してしまうのです。
ですから、このレシピで具材の混ぜ込みを行うのは成型の時。
この方が具材をたっぷりいれることができます。
具材のまぜ方だけでも、パンの膨らみは変わります。
【自分でレシピの具材をアレンジしたい時に気をつける事】
◎具材の量
◎こね上がりに混ぜるのか、成形時にまぜるのか
◎具材の下処理法
◎パン生地に穴が開きやすい具材を使っていないか
パン作りの理論を知らないと、具材のことも分からなくなってしまいます。
具材の特徴を知りつつ、グルテンやイーストへの影響もキチンと理解していくと面白いですよ。
具材についてはこちらのブログにくわしく書いています!
レーズンパンが膨らまない!?/パン作りの具材のまぜ方に要注意!
【パンの焼き時間の考え方】パンの生焼けを防ぐには?/具材をアレンジするときに知っておきたいこと
【失敗談!】パンに混ぜ込む具材の割合は?欲張りすぎると膨らまない!?
【アレンジ術②】パンの形や型を変えたい!マフィン型で作るお菓子パン
コーヒー食パンの生地と同じパン生地でアレンジレシピを作りました!
今回は粉量も同じになるように考えてみました。
倍量のレシピで仕込むと2種類のパンができるので、ぜひ試してみてくださいね。
パンの形を変えたい時。
悩むのはオーブンの焼き時間です。
これは、経験がものをいうところもあります。
自分のオーブンのクセをしっているかどうかが鍵ですね。
ここからは、今回の配合で注意したいことを書きます。
配合の説明のところと見比べながら、温度と時間を考えていきましょう。
◎焦げやすく、焼き色がつきやすい
【理由】卵や砂糖の量が多いから
【対策】高温で焼きすぎない。特に庫内が狭く上面に焼き色がつきやすいオーブンは注意
◎腰折れ、ケープインしやすい
【理由】水分の配合が多いため
【対策】型にいれて焼くこと
十分な焼き時間でクラスト(皮)をしっかり焼くこと
下火を強く焼くこと(オーブン天板を一緒に余熱する)
レシピに焼き時間の目安が書いてありますので、
参考にしつつ、ご自身のオーブンで調整してみてください。
ちなみに、私は東芝の石窯オーブンを使っています(7年くらい前の機種ですが)。
この配合は、焼き色がつきやすいので注意して温度を調整してくださいね。
【コーヒー食パン&コーヒーロール】レシピはYouTubeで公開中!
1種の生地から2つのパンを作る。
私はこのパン作りが好きで、リアルとオンラインの両方のレッスンでお伝えしています。
実は、簡単そうでムズカシイ。
何も知らないでアレンジすると失敗します。
私もそうでしたので。
パン生地の扱い方の特徴や材料の意味。
味や食感の特徴をキチンと理解しましょう!
このブログでは書ききれないくらい深い内容です。
レッスンではもっと話せます(笑)
レシピはYouTubeで公開中です!
成形の方法も詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてくださいね(^-^)
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